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ブックマーク / www.udiscovermusic.jp (58)

  • クイーン『HOT SPACE / ホット・スペース』制作秘話:クイーン・サウンドから離れた冒険作

    偉業を達成したサウンドトラック『Flash Gordon』の後、次の新作がリリースされるまで、クイーン・ファンは約17ヵ月待たなければならなかった。だが1981年10月には、人気曲が勢揃いしたベスト盤『Greatest Hits』が発売。誰もが心ゆくまでそれを楽しみ、大ヒットとなった。2,500万枚以上を売り上げた同作は、クイーンにとって商業的に最も成功したプロジェクトとなっただけでなく、全英チャートに500週以上ランクイン。現在では、英国で史上最多セールスを上げたアルバムとして、公式に認定されている。 10作目となるスタジオ・アルバムの土台作りを行う中、クイーンは、北米、ヨーロッパ、アジア、そして南米を巡る大々的な世界ツアーを実施。興行収入の記録を塗り替え、南米ではアルゼンチン(計30万人を動員したブエノスアイレスのエスタディオ・ホセ・アマルフィターニでの3公演を含む)や、ブラジル、ベネ

    クイーン『HOT SPACE / ホット・スペース』制作秘話:クイーン・サウンドから離れた冒険作
  • ケンドリック・ラマーが地元大学の卒業式に登場。彼がスピーチで語った全文翻訳

    ドレイク(Drake)とのビーフの応酬の中で生まれた楽曲「Not Like Us」がディス曲ながらストリーミングヒットとなり、全米シングルチャートで1位となるまでの成功となったケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)。 そんな彼が、2024年6月7日にケンドリックの地元であるカリフォルニア州コンプトンのコミュニティ・カレッジ、コンプトン大学(Compton College)の卒業式にサプライズで登場し、卒業式にスピーチを行った。その全文を公開。訳はライター/翻訳者の池城美菜子さん。 <関連記事> ・ケンドリックのコンセプト・アルバムの傑作『good kid, m.A.A.d city』を読み解く ・ケンドリック・ラマーのベスト・ソング30:頂点に上り詰めたラッパーによる名曲 Compton College Commencement 2024 イヤー イヤー イヤー イヤー イヤ

    ケンドリック・ラマーが地元大学の卒業式に登場。彼がスピーチで語った全文翻訳
  • レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーによる、メタリカの“ロックの殿堂入り”祝福スピーチ

    Rock & Roll Hall of Fame YouTube / Flea inducts Metallica Rock and Roll Hall of Fame Inductions 2009 2023年4月14日に発売されるメタリカ(Metallica)にとって12枚目、そして6年4か月ぶりとなるスタジオ・アルバム『72 Seasons』(予約はこちら)。 この久しぶりのアルバムの発売を記念して、2009年にメタリカがロックの殿堂(Rock and Roll Hall of Fame)入りを果たした際に、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのベーシスト、フリーによる祝福スピーチの全文を掲載。 <関連記事> ・メタリカ、6年4か月ぶりの新作アルバム『72 Seasons』2023年4月に発売決定 ・『ストレンジャー・シングス』と音楽たち:リバイバルヒットを生むドラマ レッチリのフリーが

    レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーによる、メタリカの“ロックの殿堂入り”祝福スピーチ
    AKIYOSHI
    AKIYOSHI 2024/06/12
    「自分の“歌”を歌い、才能を発揮した人生だったと感じてこの世を去れるのは美しいことだ。そして、クリフ・バートンはそれをやってのけた」
  • レッド・ホット・チリ・ペッパーズ『Mother’s Milk』: ファンクとラップが融合した先駆的作品

    80年代後半頃のレッド・ホット・チリ・ペッパーズは、まだ今のような影響力のあるファンク・ロック・バンドでなかったことは、つい忘れがちである。そんな彼らのキャリアを大きく変えていたかもしれないような分岐点1989年にあった。 ところでこの時にはすでに彼らは地元ロサンゼルスで少しばかり人気があって、特に大学生の界隈においては、荒々しいファンクやロックのサウンドと、あの裸に下を股間につけたコスチュームに至るような、やり過ぎなライブ・パフォーマンスも相まって、人々の好奇心の的となっていた。 アルバム『Mother Milk』の制作に取り掛かろうとする頃、バンドを悲劇が襲った。1988年、結成メンバーであり、このバンドの生みの親のような存在であったギタリスト、ヒレル・スロヴァクがヘロインのオーバー・ドーズで亡くなり、それが原因でドラマーのジャック・アイアンズもバンドを脱退してしまった。代わりのメン

    レッド・ホット・チリ・ペッパーズ『Mother’s Milk』: ファンクとラップが融合した先駆的作品
  • ボン・ジョヴィ『New Jersey』解説:どのようにして地元のヒーローが世界のスターになったのか

    大きな成功を収め決定的となった作品『Slippery When Wet』を発売した後、ボン・ジョヴィは80年代後半を代表するハードロック・バンドとなった。3曲のトップ10ヒット、親しみやすいリリック、そして派手なリフで、ボン・ジョヴィはニュージャージー州出身の無名のバンドから世界的なロックスターへと躍進を遂げたのだ。 <関連記事> ・ボン・ジョヴィのジョンとリッチー、二人が同じステージに立つことを夢見 ・ボン・ジョヴィ『Slippery When Wet』:バンドの人生を変えた1986年の名盤 しかしそれでも当時のボン・ジョヴィは、”有名になった途端に挫折するのではないか”と言う評論家たちに過小評価されていると感じていた。『Slippery When Wet』のツアーが終わった後すぐにバンクーバーに身を沈め、更に自身を推進させる曲の数々を作り、評論家たちに一発屋でないことを証明しようと意気

    ボン・ジョヴィ『New Jersey』解説:どのようにして地元のヒーローが世界のスターになったのか
  • 地獄の始まり:ニューヨークの売れないバンドがメイクをして、『KISS』を発売するまで

    70年代後半、KISSは一大現象だった。メイクされた顔、素晴らしいライヴ・パフォーマンス、そして『Love Gun』や『Rock And Roll Over(地獄のロックファイアー)』を含むプラチナ認定されたアルバムでその名を国際的に広めただけでなく、スーパースターへと上り詰めていく地に足がついた進歩は、各々の時代に存在するつかの間の流行を取り入れることはあっても、そこに惑わされて迷走することがなかった。 しかし、KISSは決して流星のごとく優越的地位に上り詰めたわけではない。白塗りのようなあのメイクやド派手なステージのパイロの演出がバンドの象徴となるずっと前、ニューヨーク出身の4人組のフロントマンを初代から務めるジーン・シモンズとポール・スタンレーは最初に結成したバンドのウィキッド・レスターとして長年の下積み時代を過ごし、1972年と1973年の過酷なツアーを経て、その全てがKISSのセ

  • ミュージシャン達が自分で作ったカスタムメイドの楽器ベスト10

    Close-up of Bo Diddley's Gretsch Guitar from the Hard Rock Cafe Collection - Photo: Richard Ecclestone/Redferns ボ・ディドリーからビョークにいたるまで、ミュージシャンはしばしば楽器を自作してきた。こうしたカスタムメイドの楽器は奇妙なものもあるかもしれないが、アーティストの頭の中には浮かんでいても既存の楽器では表現できなかったサウンドを実現する手助けをしてきた。 稿では、音楽史でも特にアイコニックで興味深い自作楽器のベスト10点を順不同で紹介しよう。読者の皆さんも、この他にお気に入りのカスタムメイド楽器があれば、ぜひご紹介いただきたい。 <関連記事> ・トム・ウェイツによるアイランド・レコード時代の5枚を解説 ・ザ・フー『Who’s Next』10枚組ボックスが発売決定 1. ワ

    ミュージシャン達が自分で作ったカスタムメイドの楽器ベスト10
    AKIYOSHI
    AKIYOSHI 2023/09/13
    ウリ・ジョン・ロートのスカイギター
  • ヒップホップとは何か、その定義とは:既存の価値観をひっくり返す、下克上の文化【#HIPHOP50】

    1973年8月11日はヒップホップ誕生日とされている。クール・ハークと妹のシンディ・キャンベルが、ニューヨークのブロンクスでパーティーを開き、ヒップホップの音楽文化が誕生した歴史上重要な日とされ、米国上院では8月11日を「ヒップホップ記念日」として制定もされた。 今年の50周年の日に合わせて、ライター/翻訳家の池城美菜子さんが全5回にわたってヒップホップを紐解く短期集中連載を実施。第1回はその定義について。 ヒップホップ生誕50周年を記念したプレイリストも公開中(Apple Music / Spotify / YouTube)。 ・連載第2回:ヒップホップと資主義:なぜ、そこまで金銭にこだわるのか ・連載第3回:いまさら聞けないヒップホップの地域分類とサブジャンル <関連記事> ・米国上院にて8月11日を「ヒップホップ記念日」にすることが制定 ・グラミー賞にてHIPHOP50周年を祝う

    ヒップホップとは何か、その定義とは:既存の価値観をひっくり返す、下克上の文化【#HIPHOP50】
  • “低音の革命”:UKのニュー・ウェーヴとポスト・パンクがいかにしてベースの奏法を変えたか

    基盤となる部分が変われば、その上に置かれるものにも影響が及ぶ ―― それは物理と音楽の両方における基原理である。1970年代後半から1980年代前半にかけてのイングランドでは、そのことが特に顕著だった。1960年代の革新的なベーシストたちのプレイが、ポスト・パンクやニュー・ウェーヴのサウンドに応用されるようになったのである。 <関連記事> ・早弾きだけじゃない、新たな方向性を開拓した80年代のギター・ヒーロー ・プログレッシヴ・ロック界のベーシスト・ベスト20 ・史上最高のベーシスト・ベスト50 エルヴィス・コステロとブルース・トーマス クラッシュ、セックス・ピストルズ、ダムドといったグループは、UKパンク界が送り込んだ第一の軍勢にすぎなかった。狡猾なミュージシャンたちは、そのあとで次なる一手を模索し始めたのである。「White Riot(白い暴動)」や「God Save The Que

    “低音の革命”:UKのニュー・ウェーヴとポスト・パンクがいかにしてベースの奏法を変えたか
  • ディオ『The Last In Line』解説:絶好調の中で発売されたバンド2枚目の名作アルバム

    ブラック・サバスのラインアップが崩壊した後の灰の中から生まれ、1982年に結成されたディオ(Dio)は、1983年の完璧で非常に親しみやすいアルバム『Holy Diver』で最初のヒットを飛ばした。「Rainbow In The Dark」とドラマチックなタイトル曲「Holy Diver」という2曲の全米トップ40ヒットを生んだこのアルバムは、批評家たちをうならせ(Kerrang!誌はこのアルバムを「完璧なメロディック・メタル・アルバム」と的確に評した)、英米でチャート上位に入り、バンドはアメリカでプラチナ・ディスクを獲得した。 『Holy Diver』の成功後、絶好調だったディオは、キーボーディストのクロード・シュネルを加えてコロラドに移り住み、ロッキー山脈のカリブー牧場でセカンド・アルバム『The Last In Line』のレコーディングを開始した。 <関連記事> ・ドキュメンタリー

  • プログレッシヴ・ロック・バンド・ベスト50:黎明期のグループから現代の猛者まで

    プログレッシヴ・ロック・バンド のベスト50をリストアップすることは、野心的なプロジェクトである。もっとも、優れたプログレッシヴ・ロックは常にある種の野心を描いているのだが。 このリストでは、プログレッシヴ・ロックとその主要なサブジャンルを描き出すことに挑んだ。だが、これは厳格な“バンド”のリストであり、ソロ・アーティスト(あるいは、通常自身の名前で活動していたアーティスト)は含まれていない——申し訳ない、ザッパとオールドフィールドの両氏。次の機会にはぜひ。モダン・バンドも、そして70年代が終わると消えてしまったバンドもいくつか選出しているが、上位にしたのは複数の創造的時代を股にかけて活動したバンドだ。 何がプログレッシヴ・ロックで何がそうでないかを線引きするのは少々難問だった。ヨーロッパ的なアプローチをしつつ、基的にブルースを基調にしていないバンドを優先した。つまりはレッド・ツェッペリ

    プログレッシヴ・ロック・バンド・ベスト50:黎明期のグループから現代の猛者まで
  • プログレッシヴ・ロックのベスト30曲:正典から選び抜いた必聴の名曲たち

    プログレッシヴ・ロックの正典から選び抜いたベスト・ソングに目をやると、人生のあらゆる重要事項について歌われた曲が見つかるだろう。精神の旅、永遠の愛、高速レーシングカー、そして小便のかかった雪を避ける必要性。もちろん不滅のギター及びシンセサイザー・ソロ、そして、思わずスパンコールがあしらわれたケープを羽織ってしまいそうなほど多用されるトリッキーな拍子記号だ。 このジャンルの音楽を30曲に絞り込むのは簡単ではなかったが、少なくとも、かなり長めの曲をいくつか挙げている。さらには、大作と遜色のない4~5分の曲もいくつか加えている。 この記事は、長年の歴史の中で生まれたプログレッシヴ・ロック最高峰の楽曲を選んだものだ。多様性を考慮して、同じバンドを2回以上登場させることは避けた。さぁ、ヘッドフォンの音量を上げて、宇宙へと旅立とう。 楽曲はプレイリストでも展開中(Apple Music / Spoti

    プログレッシヴ・ロックのベスト30曲:正典から選び抜いた必聴の名曲たち
  • プログレッシヴ・ロック界のベーシスト・ベスト20:サウンドの根幹を支えるミュージシャンたち

    ベーシストというのは、昔からバンドの中でも“静かな男”というイメージが強く、映画『スパイナル・タップ』に登場するデレク・スモールズにいたっては“ぬるま湯”のような役割だとさえ言い放っている。 しかしながら、プログレッシヴ・ロックというジャンルに括られるベーシストでこの例に当てはまる人物はほとんどいない。彼らは素晴らしいリフを弾いたり、パワフルな低音で演奏を支えたり、時には目も眩むようなソロを披露したりすることさえあるのだ。 ここではそんなプログレッシヴ・ロック界を代表する名ベーシストたちを紹介していきたい。4の弦(場合によっては、その数は8や12ということもある)を操ってプログレ・サウンドの根幹を支えるミュージシャンたちを讃えていこう。 なお、下記のリストから漏れていると感じるプログレッシヴ・ロックの名ベーシストがいると感じられた方は、ぜひ下のコメント欄を通じてその名前を教えてほしい

    プログレッシヴ・ロック界のベーシスト・ベスト20:サウンドの根幹を支えるミュージシャンたち
  • メタリカのメンバーが語る、新作アルバム『72 Seasons』全曲解説

    2023年4月14日にニュー・アルバム『72 Seasons』をリリースしたメタリカ(Metallica)。彼らがSNSに公開しているアルバム収録楽曲の解説動画の日語訳を掲載します。 #72Seasons track-by-track! Hear from the guys before you dive in to the album. LISTEN NOW 🎧 https://t.co/JoINY2ObVR pic.twitter.com/k7KLZGpEB6 — Metallica (@Metallica) April 14, 2023 <関連記事> ・【メタリカ・クイズ】新譜『72 Seasons』発売記念<全10問> ・メタリカ、人生で初めて買ったレコードを語る 1. 72 Seasons ジェイムズ:「72 Seasons」 ようこそ! 幕開けの曲だ! ロバート:このイント

    メタリカのメンバーが語る、新作アルバム『72 Seasons』全曲解説
  • メガデスのデイヴ・ムステイン、日本公演を振り返る「あんなに気分がいいこともめずらしいね」

    2023年2月、最新アルバム『The Sick, The Dying…And The Dead!』を引っさげてのジャパンツアーを行ったメガデス。バンドのリーダー、デイヴ・ムステインが日滞在中の3月1日にTwitterスペースにて行った来日公演の振り返りで、彼が語ったことを抜粋してお届けします。 来日公演セットリストはプレイリストとなって公開されている(Apple Music / Spotify)。 <関連記事> ・【独占インタビュー】メガデスのデイヴ・ムステインが新作について語る ・メガデス、初の武道館公演への意気込みや癌を乗り越えた新作アルバムの制作を語る ・メガデス、2/27の日武道館公演で、マーティ・フリードマンとの共演が決定 ――いまのご気分はいかがですか? デイヴ・ムステイン: 首は痛むし、指先も痛む。だけど大丈夫だ。これは俺が練習しないせいだからね。前にも話したと思うけれど

    メガデスのデイヴ・ムステイン、日本公演を振り返る「あんなに気分がいいこともめずらしいね」
  • メガデス初の武道館公演ライヴレポ:マーティがゲスト参加し、現在の充実ぶりも示した歴史的90分間

    2023年2月、全米全英アルバムチャート3位(全英では自己最高位)を記録した最新アルバム『The Sick, The Dying…And The Dead!』を引っさげたジャパンツアー中のメガデス。そんな彼らが2月27日には自身初となる日武道館公演を開催。元メンバーのマーティ・フリードマンがゲスト参加しての約24年ぶりの共演が話題となっている。 そんなメガデスが奇跡的な一夜について、音楽評論家の増田勇一さんによるライヴ・レポートを掲載。 あわせてこの日のライヴのセットリストがプレイリストとなって公開されている(Apple Music / Spotify)。 <関連記事> ・【独占インタビュー】メガデスのデイヴ・ムステインが新作について語る ・メガデス、初の武道館公演への意気込みや癌を乗り越えた新作アルバムの制作を語る ・メガデス、2/27の日武道館公演で、マーティ・フリードマンとの共演

  • 映画『BLUE GIANT』の劇中でジャズ・ファンをうならせる3つのこだわりポイント

    シリーズ累計920万部超の大人気ジャズ漫画BLUE GIANT」(原作:石塚真一)が、2013年の連載開始から10年の時を経て遂にアニメーション映画化され2023年2月17日から大ヒット上映中だ。 “音が聞こえてくる漫画”として数々の口コミと共に高く評価されてきた「BLUE GIANT」だが、今回音楽を担当したのは世界的ピアニストの上原ひろみ。今回、主人公・宮大たちが結成するトリオ“JASS”のオリジナル曲だけでなく、劇伴音楽をほぼ全曲書き下ろし、演奏及びサウンド・プロデュースを務めている。また、映画と同日に発売されたサウンドトラックは、日iTunes Storeで総合アルバム・ランキング1位、オリコンデイリーアルバムランキングで2位を獲得している。 「最大の音量、最高の音質で、物のジャズを届けたい」というスタッフの情熱が込められた映画BLUE GIANT』。劇中に登場するジャ

  • ジョン・ウィリアムズの映画音楽半生:フォースが彼と共にあらんことを

    “天才”という言葉は、その仲間であり幅広い解釈が可能な“アイコン”という言葉と共に、乱用され過ぎている。だがジョン・ウィリアムズに関しては、その両方が当てはまるだけでない。彼の才能の偉大さを言い表すには、それでは足りないほどなのだ。 <関連記事> ・ジョン・ウィリアムズ指揮/ウィーン・フィルによるライヴ盤 ・『スター・ウォーズ エピソード4』のスコアが持つ革新性 誰もが認める映画音楽の巨匠 ジョン・ウィリアムズは、サウンドトラックの作曲家というだけではなく、誰もが認める映画音楽の巨匠だ。ポスト=ロマン派風の現代クラシック音楽の創作者であると同時に、偉大な指揮者でありピアニスト、そしてジャズ愛好家でもあり、かつてゴスペル界を代表する歌手マヘリア・ジャクソンのためにピアノを弾いていたこともあった。91歳となった現在も、彼は自らの分野で驚異的な自然力を振るい続けている。 スティーヴン・スピルバー

    ジョン・ウィリアムズの映画音楽半生:フォースが彼と共にあらんことを
  • ジャズの新星サマラ・ジョイの魅力:グラミー新人賞を受賞したジャズ・ヴォーカルの新星

    昨年、名門レーベルであるヴァーヴ・レコードと契約、現在23歳という若さにして圧倒的な表現力を持つ正統派ジャズ・ヴォーカル・クイーン、サマラ・ジョイ(Samara Joy)。2023年2月6日に開催される第65回グラミー賞では、「最優秀新人賞」と「最優秀ジャズ・ヴォーカル・アルバム」の2部門にノミネートされている。(2/6 update: この2部門を受賞) 2月1日には、アルバム『Linger Awhile』の日盤のリリースが決定。ジャズ・ヴォーカリストながらTikTokでは20万フォロワー、220 万以上の「いいね」を獲得している彼女について、音楽評論家の柳樂光隆さんによる解説を掲載。 <関連記事> ・ジャズの未来を担う若手ジャズ・ミュージシャン13人:必聴トラックの動画付き ・【全リスト】第65回グラミー賞ノミネートが発表 “ジャンルを超えた”2010年代のジャズ ロバート・グラスパ

    ジャズの新星サマラ・ジョイの魅力:グラミー新人賞を受賞したジャズ・ヴォーカルの新星
  • メガデス『Dystopia』解説:メンバーチャンジを経て制作した、近年稀に見るほど強暴なアルバム

    メガデス(Megadeth)のフロントマンであるデイヴ・ムステインは、およそ20年に亘って、ラジオでのオン・エアに適した大衆向けのヘヴィ・メタルを追求し続けていた。そして、その成果として残された一連のアルバムは、程度の違いこそあれ、一定の成功とファンからの支持を得ている。しかしながら2016年にリリースされた『Dystopia』は、ロサンゼルス出身の彼らがすべてをリセットしたかのような作風になっていた。 同作では長年に亘りグループのベーシストを務める盟友、デヴィッド・エレフソンがムステインの脇を固めたが、ギタリストのクリス・ブロデリックとドラマーのショーン・ドローヴァーは前作を最後に脱退。それぞれの後任として、アングラに所属するブラジル出身の名ギタリスト、キコ・ルーレイロと、ラム・オブ・ゴッドのクリス・アドラーが参加。このラインナップが完成させたのは、メガデスにとって近年稀に見るほど強暴な

    メガデス『Dystopia』解説:メンバーチャンジを経て制作した、近年稀に見るほど強暴なアルバム