本書は貨幣とは何か、という点から説き起こし、主流派経済学、あるいは一般に流布されている経済観を全面的に批判する。彼は通常の物々交換から「欲望の二重一致」の問題を解消する為貨幣が発明されたという貨幣観を否定し、"tax driven money"(課税貨幣観とでもいうのか?)を提起する。残念ながらこの部分は著者が別のところで書いているもののほうが面白く、本書からだけでは深いところまでは理解できず、むしろ皮相に思えてしまう。いずれにせよ、こうした貨幣観の転換によって、現代の経済政策に対する指針そのものの変換が提起される。とりわけ興味あるのは金融政策が貨幣供給量またはインフレ率をコントロールし、財政政策が不況・失業対策を担当するという従来の考え方から、財政政策によって貨幣供給量、インフレ率を管理し、金融政策はインターバンク市場レートを管理するという考え方に転換すべきである、との主張である。そして
…この定理は,社会の進歩につれ地代は増加し利潤率は低下する,地主の利害は社会の他の階級の利害に反する,というものであった。リカードはこの論証に,投下労働価値説による賃金と利潤の相反理論を用いた。商品の相対価値が投下労働量に比例するとすれば,賃金の騰落は利潤だけに影響し商品の相対価値には影響しない。… 【労働価値説】より …スミスはその《国富論》(1776)において,労働こそが人間が自然に対して支払う〈本源的購買貨幣〉であることを明らかにするとともに,労働の量が価値の真実の標準尺度であることを指摘し,それを彼の経済学の体系の基礎に据えた。しかし,その規定が商品を生産するのに投下された労働量によるのか(投下労働価値説),それとも商品が支配することのできる労働量によるのか(支配労働価値説)を必ずしも明りょうにはしなかった。しかもその2様の把握は資本主義的商品生産社会を〈初期未開社会〉と区別する彼
暇つぶしに、徒然思うこと。 あと、書き癖をつけようということで。 とりあえず、日銀で公表されている資料を題材に。 新しい話題もないが、 何にも書かないでいると、書くのがめんどくさくなってしまうので 重複をいとわず、まとめというか、よそのブログとに書かれていることも参考にして 簡単に。 現在、自他ともにMMTerと認めている人の中で、 代表的な論者を上げると Warren Moser L. Randall Wray Scott Fullwiler William Mitchell Michael Hudson Mathew Forstater Pavrina Tcherneva Alain Parguez Stephanie Kelton(=Bell) Geoffrey Ingham といったところであろう。 これらの人々は、前々から、このブログでは 「Tcherneva の言うところの『第
今月初め、市場マネタリストとサイモン・レン−ルイスの「論争」のデロングによるまとめを紹介したが、その続きとでも言うべきエントリをデロングが書いている。そこではNick Roweとレン−ルイスのブログ記事が紹介されており、エントリのタイトルは「Simon Wren-Lewis and Nick Rowe Annoy Each Other(サイモン・レン−ルイスとNick Roweはお互いに困惑している)」と題されている*1 以下はRoweのブログ記事からの引用。 It seems I need to respond to Paul Krugman. "The neomonetarist movement starts from an acknowledgement of reality: shortfalls of aggregate demand do happen, and they d
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