シリーズ 混迷続くイスラム イスラム国はなぜ台頭したのか 2015年1月5日 月曜深夜[火曜午前 0時00分~0時50分] 外国人ジャーナリストを殺害し、その映像をインターネットで公開するなど、残虐行為を重ねながらイラクやシリアで勢力を拡大するイスラム過激派組織「イスラム国」。なぜわずか数年で急成長することができたのか、その成り立ちに迫る。 2011年、アメリカ軍がイラクから撤退すると、シーア派のマリキ首相は少数派のスンニ派を政権への脅威とみなして排除するように。何千人ものスンニ派が破壊活動の容疑で捕らえられ、虐待され、あるいは路上で殺される。 宗派対立が激化する中、「イスラム国」の前身でアルカイダの流れをくむスンニ派武装組織「イラクのアルカイダ」が、国内外のスンニ派富裕層から資金を得て勢力を拡大。隣国のシリアでアサド政権と反政府勢力との内戦が始まると、混乱に乗じてシリアで組織を急成長させ
ヌーリー・カーミル・ムハンマド・アル=マーリキー(نوري كامل محمد المالكي, Nūrī Kāmil al-Mālikī、1950年6月20日 - )は、イラクの政治家。2006年から2014年まで同国の首相を務め、その間に内相や国防相も一時的に兼務した。イスラーム・ダアワ党書記長として、政党連合「法治国家連合」を率いる。宗教はイスラム教シーア派。日本の報道では大半が「マリキ首相」と表記・発音している。 人物・首相就任[編集] イラク中部カルバラー県ヒンディーヤの出身。バグダード大学卒(アラビア文学専攻)、サラーフッディーン大学で修士号取得。サッダーム・フセイン政権下のシーア派弾圧により死刑判決を受け、1980年にシリアへ亡命(亡命後ジャワード・マーリキーを名乗る)。 2003年にサッダーム政権崩壊後のイラクへ帰国し、バアス党員の公職追放とともに新憲法の草案作りに携わった
複雑に絡み合い絶えず変化している中東の政治情勢は、理解しがたいものに思えるかもしれない。しかし、多くの中東の国や組織の関係をつかむことができる、シンプルで正確なチャートが登場した。
イランのハメネイ最高指導者に関するアクバル・ガンジの評論によれば、革命以前のハメネイは、様々な思想的な潮流に触れている。 1953年にCIAなどが仕組んだクーデターで、民主的に選ばれたモサデク政権が倒されシャー(国王)の独裁が始まった。シャーはCIAやイスラエルの諜報機関モサドの支援を受けながらサヴァックと呼ばれる秘密警察を育成した。アメリカがサヴァックに関して援助をしたのは、共産主義者を一掃するためであった。シャーは、サヴァックを使って共産主義者を含む全ての反対派を一掃した。シャーの監獄は多様な反対派で満ちた。 実は、この監獄が多くの反政府活動家にとっては学びの場となった。「牢獄は革命の学校」という言葉がある。思想的な背景のない囚人は、ここで革命思想に染まる場合が多い。既に、ある種の思想的な背景を持っている囚人の場合は、ここで他の思想の潮流に触れる。興味を持って勉強をし始めると、監獄は他
諸大国の側にも、それぞれのお家の事情がある。とくにアメリカの議会にはイスラエルの影響力が強い。とりわけ共和党には、である。イスラエルはイランを脅威とみなしており、同国のウラン濃縮施設そのものの解体を主張している。そして、2014年11月初めの中間選挙では、共和党がアメリカの上下両院で過半数を押さえた。共和党が支配するアメリカ議会はイランへの経済制裁への撤廃に反対するだろう。そればかりか、新たな制裁法案を可決する可能性すらある。議会の動きがオバマ政権の対イラン交渉の手を縛る役割を果たしそうある。 アメリカのジョー・バイデン副大統領が14年12月初旬にイランとの包括的な合意の可能性は50%以下と述べたのは、こうしたきびしい状況を踏まえてであろう。 イラクとシリアで勢力を伸ばした「イスラム国」に対抗し、イラクの中央政権を支持するという面では、イランとアメリカは同じ側に立っている。イランは、イスラ
国連安保理の5常任理事国にドイツを加えた「P5+1」と呼ばれる諸国とイランとの間での同国の核開発をめぐる交渉が大詰めに入っています。この交渉には11月24日という期限が設定されています。この期限を前に18日にオーストリアの首都ウィーンで最終的な話し合いが始まりました。 遠心分離装置の数など大きい隔たり イランの核開発に関しては、同国は平和利用のためであるとしています。しかしアメリカやEU(欧州連合諸国)は軍事転用を疑いイランに対する経済制裁を実施してきました。 2013年にイランでロウハニ新大統領が誕生すると、同国はP5+1との積極的な対話路線へと方向を転換しました。そして同年末に暫定的な合意が成立しました。この合意に基づいてイランは保有する濃縮ウランを核兵器に転用しにくくするなどの措置を取りました。引き換えに諸大国は経済制裁の一部解除などで応じました。そして半年後の最終的な合意を目指して
9月初旬イスラエルの前大統領で元首相のシモン・ペレスが、ローマ法王フランシスコとの会談で「宗教の国連」の創設を提案して注目を浴びた。ローマ法王庁によれば、宗教対立などの問題を対処する「国連形式の組織」をペレスが提案した。この提案が実現するかどうかは不明だ。 そもそも、こうした組織が望ましいのかも疑わしい。というのは、一つには、こうした宗教間の対話組織はすでに存在するからだ。また、イランのモハマド・ハタミ元大統領が在職中に「文明の衝突」ではなく「文明間の対話」を訴え、国連総会が2001年を「文明間の対話の年」と宣言している。にもかかわらず、世界では紛争がつづいている。 もっと重要な点は、宗教紛争とされる世界の多くの問題は、宗教をめぐっての争いではない。パレスチナ問題がその最たる例である。だれもユダヤ教が正しいとか、イスラム教が正しいとか言い争っているのではない。問題は土地争いである。宗教を強
米Twitterや米YouTubeが「イスラム国(ISIS)」のアカウントや関連する画像を停止/削除する中、同組織は新たな広報手段として分散型SNSのDiasporaを選んだようだ。 Diasporaは8月20日(現地時間)、複数のメディアがISISがDiasporaに複数のアカウントを作成していると報じたことを受け、状況を説明した。 Diasporaは2010年にニューヨーク大学の学生が立ち上げたオープンソースの分散型SNSプロジェクト。TwitterやYouTubeなどと異なり、ユーザーは自分で立ち上げたサーバをDiasporaに接続することで運営に参加できる。 この柔軟性が今回はあだとなった。アカウントやコンテンツを一元的に削除する手段はなく、コンテンツを削除するかどうかの決定権は各サーバの管理者にある。Diasporaプロジェクトのコアチームはサーバの管理者にイスラム国関連アカウン
今日の目黒は朝から小雨が降っております。 さて、久しぶりに記事の要約を。オバマ政権の使っている言葉についての議論です。 === 「悪」というラベルづけの問題:ISISを「ガン」と呼んでしまうことのモラル・ハザード By マイケル・ボイル ●ISISによるアメリカのジャーナリスト、ジェームス・フォーリー氏の「首切り処刑」は、世界中からこの反乱グループとその恐ろしい手段に対する非難を巻き起こしているが、これは当然であろう。 ●ところがこれは同時に、911の連続テロの直後のパニック状態の中でアルカイダを示す際に使われた道徳判断を含んだ言葉を復活させることにもつながった。 ●ブッシュ前大統領が「テロとの戦争」を「悪を行う者」たちに対するキャンペーンであると表現したことは有名だが、奇妙なことに、オバマ大統領もISISのことを、中東に広がる「21世紀に存在してはいけないガン細胞」であると表現している。
朝日新聞のWEBRONZAに8月20日に掲載された解説です。ただ全文は、朝日新聞との関係上、高橋のブログにはアップできません。 ---------------------------------- 8月に入ってアメリカ軍がイラク北部への空爆を開始した。作戦は現在も続行されている。 目標は、イラク北部のIS(イスラム国)の部隊である。ISは、ISIS(イラクとシリアのイスラム国)として知られていた組織である。6月にイラク北部の大都市モスルを制圧するなど急激にシリアとイラクで支配地域を拡大させた。7月には、その指導者のアブ―バクル・バグダーディをカリフ(イスラムの預言者ムハンマドの後継者)に指名してイスラム国の樹立を宣言した。 モスルなどが簡単に陥落したのは、ひとつにはイラク軍の指揮が乱れており、兵に戦う意志がなかったからだ。イラクのマリキ前首相は、2011年にアメリカ軍がイラクから撤退した後
6月に始まったイスラエルのガザ攻撃によってパレスチナ人約2000名が死亡しました。その内の多くは女性であり子どもです。つまり非戦闘員です。また負傷者も1万名に達しています。しかもガザに生活する180万人の内の4分の1が住居を破壊されて難民化しています。その上、人々の生活を支える発電所、病院、学校、モスク、海水淡水化工場なども被害を受けています。 国連事務総長「受け入れがたい」 戦争時における非戦闘員の保護などを決めた1949年のジュネーブ条約に違反している疑いが濃厚です。イスラエルに抵抗するガザの武装勢力が人口密集地に軍事拠点を設置してロケットを発射するなど民間人を人質としているという実態は一部には存在します。しかし、非戦闘員の被害の大きさに照らして判断すると、イスラエルの攻撃は、バランスを欠いており、戦争犯罪を構成する意見が強いのです。イスラエルでの民間人の死者3人に対しガザでの2千名の
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