今、ベイズが熱い ここ1〜2年の間、ベイジアン・モデリングに関する和書が相次いで出版された。大御所による教科書(豊田 2015, 2017)から気鋭のデータサイエンティストによる実践的なテキスト(松浦 2016)まで、どれも分かりやすいと評判が良い。ネット上でも、Stan, MCMCを使った実践的な分析を紹介するスライドが数多く公開され、学習環境が急激に整ってきた。今、ベイズが熱い。 だが、自習できる環境が整備されたとは言っても、そもそもベイズを学ぶ必要があるのか?自分にとって役立つのか?良く分からない人も多いはずである。本セミナーの目的は、ベイジアン・モデリングの意義とその位置づけを、理解していただくことにある。 結論から述べておこう。心理学者にとってのベイジアン・モデリングとは、心理学者を縛り続けてきた「実験操作や介入の効果を検証する」という科学観から我々を解き放つ、新しい方法論上のパ