新宿区の下落合や(城)下町の人々を中心に、街角の物語を想いにまかせて綴っています。 主題は「わたしの落合町誌」。記事の利用につきましては一報いただければ幸いです。 コンテンツの無断使用は、ご遠慮ください。 1945年(昭和20)5月26日、下落合・目白一帯はただならぬ興奮と緊張に包まれていた。前日の25日深夜から始まった2回目の山手爆撃で、高射砲陣地の対空砲火が2機のB29を撃墜したからだ。1機は池袋上空で被弾し、高田南町二丁目(学習院下)にあった飛行機のマグネットを製造する「国産電機」の工場敷地へ墜落。ちょうど、いまの大正セントラルテニスクラブと大正製薬がある高田3丁目あたりだ。もう1機は新宿上空で被弾し、麹町一丁目に墜落している。その瞬間を捉えたのが、上の写真だ。 B29による絨毯爆撃は、高度8,000m前後から焼夷弾を投下し、目標地域の周辺が炎上し対空砲火が沈黙すると低空飛行に移り、
