もやもやと複雑な思いを残しつつ東京五輪が8日、閉幕しました。 新型コロナウイルス感染拡大で緊急事態宣言下の異常な大会。東京は1日5千人を超える感染爆発に見舞われ、選手・関係者も累計で400人を超える陽性者を出しました。 「リスクはゼロ」。開幕前に国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長はいいました。菅首相は「国民の命と安全を守るのは私の責務。守れなくなったら(五輪を)やらないのは当然」と豪語したものの、ともに“公約”はどこにいったのか。 政府やIOCが、命より五輪を優先して強行した結果、国内外から憂慮や懸念の声があふれ、“祝福されない大会”となりました。 余波は選手に重くのしかかります。7日、陸上女子1万メートルに出場した新谷仁美(にいや・ひとみ)選手は、涙ながらに苦しい胸の内を明かしました。 「昨年12月に代表に決まってから、ただただ逃げたかった。アスリートがどういった目で見られてい