発達障害と診断されてからの1年間、ソウスケさんはひきこもりに近い状態に陥った。ちょうど同じころ社会では、背景にひきこもりの問題があったのではと指摘される事件が相次いだ。5月には川崎市内で50代の男性が小学生らを殺傷、同6月には東京・練馬区で元農水事務次官が息子を刺殺、同7月には京都アニメーション放火事件が起きた。 「いつか自分も犯罪者になるんじゃないか。父と殺し殺される関係になるんじゃないか。これはまずい。絶対にこうなってはいけない」 ニュースを見ながら恐怖に震えた。川崎の事件をめぐっては、テレビやネットを中心に「(加害者は)1人で死ねばいいのに」といった主張も相次いだ。こうした意見は当然、ソウスケさんの耳にも入る。社会に迷惑をかける前にと、ネットで自殺方法を調べたりしたものの、実行することはできなかった。代わりに拒食状態になり、夕方になると気持ちが不安定になり涙が出たという。 とくに不眠