世の中には、待てない人がいる。夕立が来たときに大きな建物などで雨宿りしていると、待ちきれずに飛び出す人がいる。 選りによって、いちばん土砂降りのときに飛び出していく。おそらく何度も同じ経験を味わっていながら、どうしてもがまんができないのだ。 電車で通勤していたときも、似たようなタイプを見かけた。なにかの故障で電車が動かなくなったとき、しばらく様子を見ようという気にならず、急いでべつの交通手段をさがす人たちだ。 おおむね7、8分で運転が再開されることが多いのだが、やはり待てないのだ。 きょうの日中も街を歩いていると、一転にわかに曇って、雷がごろごろと鳴りはじめた。さいわい、ものの十数分で雨はほとんどおさまった。そして、まもなく青空が見え始めた。 つかの間の雷雨であったが、運悪くずぶ濡れになった人たちもいたはずだ。 世の中には、待てない人とはべつに、どういうわけか、夕立とかにわか雨にやられやす
ビジネス情報誌「エルネオス」5月号の巻末コラム<橋本テツヤの一針見血>で、自宅で老衰は変死扱い、と知った。 キャスターやコラムニストとして活躍する橋本テツヤさんは、4月13日あさ、101歳のお母さんを亡くした。羨ましいほどの理想的な死に方で、まさに大往生といってよかった。 とにかく、これまで大病を患ったことがなく、入院したこともなかったとか。したがって、かかり付けの医師もいなかった。 橋本さんのお母さんは、日頃、「あさ、眠るように亡くなるのが理想」といっていたという。そして実際、自宅のソファでテレビを観ながら静かに眠るように逝った。老衰である。 ところが、そのあとがたいへんだった。 かかり付けの医師もいないので、警察に連絡して事情を話したところ、「現場はそのままにして、決して遺体にふれないように」といわれた。 <30分ほどしてあらわれたのが、鑑識課員3人と刑事1人、地域課の制服警官が2人。
きょうは、寒の入り。一年中でもっとも寒い日だ。テレビをみていたら、厳寒の滝にうたれる人たち、ふんどし一本になって戸外で冷水を浴びる人たち、裸祭り、雪の上で裸足で寒げいこにはげむ子どもたちがつぎつぎと出てきた。 世界中で、こんな寒い日に裸のまま戸外に出ている民族は、フィンランド人以外にない。 と断定したが、じつは隅々まで調べたわけではない。ほかにあったら教えていただきたい。 フィンランド人は、実際に現地で目撃したからまちがいない。昔、ヘルシンキ郊外の森のなかにあるサウナ小屋を訪れた。一面雪景色の湖のほとり。裸のままサウナから出て、しばらく体を冷やし、ふたたびサウナに入るのだ。身を切るような湖に飛び込む人もいる。 日本の場合、寒さをいとわず裸になるのは、あくまでもストイックなもの。大半は、修行である。こういう我慢強い民族性が、強靭な国家をつくるうえで大きな貢献を果たしていると思う。 その一方で
郵便局から振り込もうとしたら、なにか身分を証明するものが必要です、といわれた。えっ、これまで郵便局でカネをもらうときには、たしかに保険証など必要だったが、いまは現金を振り込もうとしているのだ。 待ったがかかったのは、振り込む額が、ちょっと多めだったようだ。 さて、自分が自分であることを証明しようにも、あいにく、なにも持ち合わせていない。やっかいな世の中になったものだ。 自分は、まぎれもなく自分である。まちがいなくホンモノなのだが、そうであっても、ことばだけでは郵便局の人には、ぜんぜん通用しない。 たとえ、たまたま知人が居合わせて、「この人は決してニセモノではありません」と証言してくれても、まったく相手にされないのだ。 人間不信の社会、証明書社会ということか。 免許証を失効して久しいし、手元に自分を証明するものがないので、もう家へ戻って出直すしかない。 そして、仰々しくもパスポートをもって郵
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