ブックマーク / honz.jp (17)

  • 『シンギュラリティは近い 人類が生命を超越するとき』 - HONZ

    書は2005年にアメリカのViking社から刊行されたレイ・カーツワイルの大著”The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology”のエッセンス版であり、同書の邦訳『ポスト・ヒューマン誕生 〜コンピュータが人類の知性を超えるとき』(NHK出版刊)を親として、その主要部分をコンパクトに再編集した、日オリジナルの一冊となる。したがってカーツワイルの『ポスト・ヒューマン誕生』(あるいは電子書籍『シンギュラリティは近い』)をすでにお読みの方には内容が重複することを予めお断りしておく。 [エッセンス版]刊行までの経緯をまず簡単にご説明したい。邦訳版『ポスト・ヒューマン誕生』は2007年1月に刊行された。当時は「シンギュラリティ」という言葉をネットで検索しても日語でのヒットはほぼゼロだったこともあり、邦題を決めるのに大変苦慮したことを覚

    『シンギュラリティは近い 人類が生命を超越するとき』 - HONZ
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    BURN 2016/04/23
  • 『マーケティングの嘘』大票田を個で理解する  - HONZ

    副題にある「団塊シニアと子育てママ」は、ご存知の通り、消費の大票田である。その実態を見誤ってしまったら、ビジネスの成功などおぼつかない。定量的マーケティングで一般的にいわれている「若い母親(ヤンママ)の料理は手抜きだらけ」とか、「シニア層の散歩は健康目的」という情報を鵜呑みにしていないだろうか。書は、その嘘を明らかにしながら、たった一人のサンプル調査で絶大な効果をあげる、画期的なマーケティング手法について詳述しただ。 最初の章ではまず、ヤンママに関する誤解を解いてくれる。「まごわやさしい」という標語をご存知だろうか。まめ、ごま、わかめなどの頭文字をとってつなげたもので、これらを生活に取り入れる大切さを示したキャッチフレーズだ。このうち調理時間がかかって面倒なイメージのある煮豆について、今の若い母親たちが厭わず料理しているときいて驚く人は多いだろう。なんでも、煮豆は「お鍋に入れてタイマ

    『マーケティングの嘘』大票田を個で理解する  - HONZ
  • 『オートメーション・バカ』快適さの代償は、どれくらい? - HONZ

    クラウド、ウェラブルデバイス、M2M、IoT、ドローン… 年を追うごとに世の中はどんどん便利になり、快適になっていく。今から30年後の2045年には、コンピュータが人間の知能を越えるという予測もあり、そのような技術的特異点の先には、今とはまったく違う世界が広がっているかもしれない。 タイトルからも一目瞭然であるように、書はそんなオートメーション化していく世の中に対して警鐘を鳴らす一冊である。とは言っても、不可逆な流れに抗うドンキホーテのようなスタンスではなく、またいたずらにテクノロジー失業を煽るようなものでもなく、オートメーションが人間の身体にどのような影響をもたらしているかを、数々の先行事例を元に分析している一冊だ。 たとえばこの数10年間にオートメーション化が進んだ業界として、航空業界の事例が示されている。機械システムからデジタルシステムへの移行、ソフトウェアとスクリーンの増殖、肉体

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    BURN 2015/01/01
  • 『日本-喪失と再起の物語』今いちどこの国を見つめる - HONZ

    これからも日は沈み続けるのだろうか。それとも、いったん没しかけた太陽は自らを大きく変革し再び昇るのだろうか。あるいは成熟国家として、ある程度の富を保ちながら退屈ではあるが緩やかで穏やかな社会を、長期間にわたり維持し続けるのだろうか。その答えは誰にもわからない。なぜなら歴史とは常に一つの方向にのみ流れ続ける川ではないからだ。それに、私たちがどのような社会を建設していきたいのかというコンセンサスが今の日社会の間にあるとも思えない。 ただ、今の日が大きな歴史の分岐点に立っているという認識は広く共有されているのではないだろうか。そんな時代の空気感こそが、昨今の「日は素晴らしい国」といった内容のテレビ番組の氾濫の原因でもあるのだろう。書の著者も間違いなく日は素晴らしい国だと思っている。しかし、それは日人が好み、日贔屓の外国人も同意するような日人特殊論に依拠してはいない。 それ故に、日

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    BURN 2014/11/18
  • 『How Google Works――私たちの働き方とマネジメント』-編集者の自腹ワンコイン広告 - HONZ

    米国の重厚長大産業を代表する企業GEのCEOだったジャック・ウェルチは、『ウィニング 勝利の経営』という「20世紀型企業の教科書」を書きました。そして長年にわたり多くの読者に読み継がれてきました。でも、どうやら時代は変わったようです。 今日、新時代を生きる人たちの「バイブル」が生まれました。世界を代表するインターネット企業グーグルの前CEOエリック・シュミットが「21世紀型企業の教科書」を書いたのです!! それが、今日ご紹介する『How Google Works(ハウ・グーグル・ワークス)――私たちの働き方とマネジメント』です。 序文はグーグルの共同創業者であり現CEOであるラリー・ペイジが執筆。グーグル全面協力で書かれた書は、企業文化、戦略、人材採用、意思決定、コミュニケーション、イノベーションの起こし方といったマネジメントのど真ん中の内容を扱っています。目次を見ていただければ一目瞭然

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    BURN 2014/09/25
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    お金0.0 / ビットコインが★なくなりました』第9話 2018年09月28日 あなたは1000万円盗まれたらどうしますか? 役者を目指す若者「出野達也」は、思いつきで仮想通貨取引を始めた。 家族に300万円を借金して、全額投資。 瞬く間に増えるお金、豪遊に次ぐ豪遊─...

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    BURN 2014/09/17
  • 『マヤ・アンデス・琉球 環境考古学で読み解く「敗者の文明」』 失われた文明にみる人類の未来 - HONZ

    「四大文明」という言葉、文明のとらえ方は日独自のものだという。エジプト、メソポタミア、中国、インダスという旧大陸の大河流域に興った一次文明(何もないところから生まれた文明)をまとめて指すこの概念は、1952年に高校世界史の教科書に登場したことから普及し始めた。この奇妙で誤った「四大文明史観」では世界史を正しく理解することはできない、と書は説く。なぜなら、新大陸においてもマヤ、アステカという独自の文明が発達しており、その存在を無視して文明の興りを議論することはできないからだ。 書は、考古学や歴史学などの文系専門家と年代測定や古環境科学などの理系専門家が学問の垣根を超えて共同研究を行った、文部科学省科学研究費プロジェクト「環太平洋の環境文明史」の成果をまとめたものである。文理融合型の研究であるがゆえにその対象範囲は広く、古代文明の謎を解き明かすために最新科学がどのように活用されているか、

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    BURN 2014/08/22
  • 『似ていることば』 - 「林」と「森」はどう違う? - HONZ

    似て非なる言葉というのは、世の中に数多く存在する。だが、どこが似ていて、どこが違うかを正確に説明するとなれば、言葉の定義をきちんと理解していることが必要だ。 とはいっても諸説あるのが、言葉の由来。それらのルーツを吟味しながら現場へと足を運び、さらには言葉の違いの決定的瞬間を写真に収める。そんなチャレンジに果敢に挑んだのが、書『似ていることば』である。 2枚の並べた写真を見比べることで違いに気付き、めくった次頁の説明によって言葉で理解する。この発見と理解という二つの欲求を、一度に満たせる編集の妙。さらに似ていることばのチョイスも、「知っているようで、知らない」ものばかり。全38組の言葉の中から、そのいくつかを紹介してみたい。 ◆「足」と「脚」は何が違うのか?

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    BURN 2014/08/21
  • 性格が戦略になる!? 『自分でつくるセーフティネット』 - HONZ

    先日、たまたまEXILEのドキュメント番組を見ていたら、変化し続けるEXILEについて、秋元康が興味深い発言をしていた。 根っこがあってブレない部分を持っている人達だけが、変わることを許される。 この「変わることを許される」という発言に、思わず耳を奪われた。変わることが出来るかどうかというのは「意志」の問題ではなく、そのための素地が存在しうるかという「状態」の問題が大きいと言っているようにも聞こえた。 ここに現代社会における、新たな格差が垣間見える。それまでに築きあげた蓄積の総量だけではなく、その時点でどのような状態にあるか。そこに変化するための前提を築けたものだけが、「Love, Dream, Happiness」を謳うことが出来るのだ。 書の問題意識も、同じようなところに端を発しているのではないかと推察する。一見、自己啓発書のような体裁で作られているのだが、そこがミソ。個人が変わろう

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    BURN 2014/07/29
  • 『ピア ネットワークの縁から未来をデザインする方法』-編集者の自腹ワンコイン広告 - HONZ

    近いほど遠い 先頃、こんな事件があった。ご近所に住んでいる仕事仲間の女性宅(マンション1F)に、深夜、見知らぬ男が窓から入りこんだ。寝ていた当人が早めに気づいて大声を上げたため、男はあわてて出て行き、難を逃れたという・・・。すぐさま警察に連絡したところ、近辺で同じような届け出がすでにあったとのこと。我が家から歩いて10分もかからない距離なのに、こんな事件があったなんて初耳だし、他の住民も同様だろう。 いまやネットで世界中の情報が入手できるというのに、いちばん身近な地域の情報が手に入らないのだ。なにも事件ばかりじゃない、評判のいい町医者、出前をしてくれる店、子どもが事故に遭いやすい場所、地域のイベント情報、パソコンや家具などの修理が得意なひと、留守中のペットの世話人・・・。ご近所でこんなことがわかればなあ、というのは山ほどある。 こうしたご近所情報がGoogleマップのような地図に、マッピン

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    BURN 2014/07/26
  • 『総力戦 (現代の起点 第一次世界大戦 第2巻)』by 出口 治明 - HONZ

    このほど、岩波の「現代の起点 第一次世界大戦」全4巻が完結した。第1巻は世界戦争、2巻は総力戦、3巻は精神の変容、4巻は遺産、と名付けられ、夫々約10編の論文から構成されている。今年はサラエボの銃声からちょうど100年、いかにも岩波らしいオーソドックスな取組である。各巻ともとても面白く、改めて大変勉強になったが、ここでは主に「第2巻総力戦」を取り上げたい。 第一次世界大戦は、前線と銃後の区別をなくした初の総力戦であったとよく言われるが、アメリカを除くと両陣営の総力は1913年の時点ではかなり均衡していたことがよく分かる。 また、この表を見ると、突出した国力を持つアメリカが連合国側についた時点で勝敗の帰趨が決着をみたこともよく分かる。第一次世界大戦は、死者数においてもこれまでの戦争とは文字通り桁違いである。フランス革命&ナポレオン戦争の約440万人に対して第一次世界大戦は約2,600万人(因

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    BURN 2014/07/25
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    『腸よ鼻よ』11指腸 2018年09月29日 澄み渡る青い空と透き通るような海、白い砂浜のある南の島――沖縄。 この島に生まれ、蝶よ花よと育てられた1人の少女がいた。 彼女の名は島袋全優。 漫画家を志し、いずれは大都会東京での タワーマ...

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    BURN 2014/06/20
  • 『メタルめし!』こそ、最強のごちそうDEATH! - HONZ

    2014年、ヤンキーがマイルドと認定されたこの年、メタルはもっとワイルドになった。 ポエムではなく叫びを、イオンタウンではなくイアンギランを、仲間との絆ではなく仲間割れをこよなく愛す。そんなメタラー達の魂を熱く揺さぶる新ジャンル、それがメタル×めし。 はたしてメタルスライム、はぐれメタルに次ぐ、メタルの新機軸を打ち出せるのだろうか。 著者は料理研究家ならぬ、料理勉強家の”ヤスナリオ”氏。ごはんを通じてヘヴィメタルを浸透させるべく考案されたという、全66点に及ぶダジャレシピの数々。その中から選りすぐりの一品を、コース料理風に紹介してみたい。 ◆前菜×AEROSMITH 前菜の役割とは、ずばり「欲を駆り立てること」。来は、彩りを考えながら、味付けや香辛料などでアクセントを付けることが求められる。だがそれだけで、メタラーの欲望を満たすことなど出来はしない。となると、欲を駆り立てながらも、同

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    BURN 2014/06/01
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    『美味しんぼ』における山岡士郎が残した功績を考える (其の二) 2018年09月30日 『この記事を書いたのは誰だーーー!!』 どうもみなさんこんにちは。苦し紛れで書いた『美味しんぼ』レビューがなぜか、マンガ新聞の週間レビューランキングに入っていて驚いています。 しかしながら「なら、...

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    BURN 2014/05/21
  • 『申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。」前代未聞のビジネス書! - HONZ

    このはいまごろ、書店のどのあたりに置かれているのだろう。コア・コンピタンス、バランススコアカード、プロセス・リエンジニアリングなどという、カタカナ用語に埋め尽くされたビジネス戦略書コーナーの一角であろうか。それとも立派なビジネス書の売上に悪影響があるからと、占いのコーナーにでも追いやられているのだろうか。 ビジネス戦略書コーナーにあって、書の日語だけの長いタイトルは異質だ。刺激的なのはタイトルだけではない。帯には「前代未聞!気鋭のコンサルが内幕を暴露した全米騒然の問題作!」「マッキンゼー、デロイト……コンサルの持ち込む理論もチャートも改革も、じつは何の意味もなかった」とじつに扇情的な言葉が並ぶのだ。そして副題はなんと「コンサルタントはこうして組織をぐちゃぐちゃにする」だ。 現役のエリート戦略コンサルタントにとっては営業妨害そのものだし、経営者にとっては経営課題を丸投げできる外注先がな

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    BURN 2014/05/08
  • 『サイレント・ニーズ』新しい見方というシンプルな武器 - HONZ

    2008年7月、iPhoneが発売された。その時から凋落の一途を辿っていったのが、Nokiaの携帯電話事業である。2007年に最高益を達成した後は、「第3・4世代(3・4G)移動通信システムvsスマホ」におけるイノベーター・アップルの前にひれ伏すこととなる。そして、2012年には14年間に渡った販売数トップの座をサムスンに明け渡し、昨日、携帯電話事業をマイクロソフトへ売却した。 しかし、これまでNokiaが果たした携帯電話事業への功績は大きい。特に水道、道路、電気のインフラが十分に整っていない発展途上国で、携帯電話を売りまくってきたのである。一番の売れ筋商品であったNokia1100は、シンプルなデザインと限られた機能で累計2億5千台を販売したし、今では世界で半数以上の人が携帯電話を持っている。著者は、この携帯の普及をバックエンドで支えるリサーチ部門に所属していた。 2005年当時、使える

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    BURN 2014/04/26
  • 『世界でもっとも強力な9のアルゴリズム』で頭を鍛える - HONZ

    著者の定義によると、アルゴリズムとは「問題を解決するために必要な手順を正確に規定したレシピ」である。コンピュータ・サイエンスを専門とする大学教授の手による書は、現在当たり前のように使われている偉大なコンピュータ・アルゴリズムがなぜ必要とされたのか、どのように考え出されたか、そして、それが実際にどのような仕組みで動いているのかを教えてくれる。 このように紹介すると、コンピュータやプログラミングが苦手な人は手が遠のいてしまうかもしれないが、どうかご安心を。書を楽しむのに、コンピュータプログラミングやコンピュータ科学の知識は必要ない。必要なのはじっくりと考えることだけだ。 一口にサイエンスといっても面白いポイントはそれぞれに異なるが、書の面白みは間違いなく、過去の偉人たちの難問への挑戦を疑似体験できるところにある。その面白みを満喫するためにも、頭から煙を出しながらじっくりと考えながら読む

    『世界でもっとも強力な9のアルゴリズム』で頭を鍛える - HONZ
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    BURN 2012/08/03
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