ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/tsuchiya (11)

  • AIはだませる?──サイバーセキュリティにAIを使う期待と不安

    <イスラエルで大きなサイバーセキュリティのイベントが開かれた。サイバーセキュリティAIを使うというアイデアへの期待と不安> 今から35年前の1983年3月、米国のロナルド・レーガン大統領は、ソビエト連邦の核ミサイルに対抗するスターウォーズ計画を発表した。 そのおよそ2カ月後、『ウォーゲーム』という映画が公開された。コンピュータが暴走し、危うく米国とソ連の間で核戦争が起きそうになるというストーリーである。 米国大統領の別荘があるキャンプ・デービッドでレーガン大統領がこの映画を見た。ホワイトハウスに戻ったレーガン大統領は、統合参謀部議長に対して、「こんなことは当に起こる可能性があるのか」と聞いた。「調べます」と統合参謀部議長は答えた。一週間後、統合参謀部議長は、「大統領、お考えよりも問題はいっそう悪いものになっています」と答えた。 そこから米国政府内での検討が始まった。まだパーソナル

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    Baatarism 2018/07/03
  • ついに行われた米国サイバー軍の昇格 自衛隊はついていけるのか

    サイバー軍司令官に就任したポール・M・ナカソネ Aaron P. Bernstein- REUTERS <米国のサイバー軍の統合軍への昇格が発表された。日米同盟下で自衛隊はついていけるか> 日のゴールデンウィークのさなか、米国のサイバー軍(CYBERCOM)司令官で国家安全保障局(NSA)の長官を兼任するマイク・S・ロジャーズが退任し、第三代のサイバー軍司令官として日系のポール・M・ナカソネが就任したと米国防総省が発表した。 司令官の交代式でパトリック・シャナハン国防副長官は、「1000年以上もの間、軍は陸と海で支配を競ってきた。直近の100年間は、我々は空を支配してきた。今日、我々は新しい時代の夜明けに立っており、戦争が性質を変えるという現実に直面している。戦闘領域としてのサイバースペースと宇宙の登場であり、その重要性は陸、海、空に匹敵する」と述べた。 ロジャーズが二代目のサイバー軍司

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    Baatarism 2018/05/11
  • サイバー攻撃を押しとどめる抑止理論はまだ見つからない

    北朝鮮が核実験を行った数日後、韓国でソウル防衛対話(SDD)が開催された。今年は43カ国から860人が参加した。欧米と中国では「抑止」の考え方が異なり、サイバー攻撃ではなおさらこれまでの概念が通じないことが明らかになった> 北朝鮮が6回目の核実験を行った数日後、韓国の国防部が6回目のソウル防衛対話(SDD)を開催した。今年は43カ国から860人が参加したという。四つの全体セッションに加え、二つの特別セッションが同じ時間に並行して開催され、全体で六つのセッションがあった。その裏で、各国政府の次官級会合が二カ国間、多国間でも開催された。外遊中の文在寅大統領は録画ビデオでメッセージを寄せ、宋永武国防部長官と李洛淵国務総理が開会式で挨拶し、徐柱錫国防部次官が終始ホストを務めた。 すれ違う安全保障の概念 多くの参加者の関心は、核実験、ミサイル発射実験を繰り返す北朝鮮への対応だった。多くのスピーカー

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    Baatarism 2017/09/20
  • クロスドメイン(領域横断)攻撃は、戦闘を第二次世界大戦時に立ち戻らせる

    <サイバー・電子技術に頼った指揮命令システムや測位・探知システムが失われると、急速に戦闘は第二次世界大戦のレベルに戻っていくかもしれない> 「今夜でも戦う用意ができている(ready to fight tonight)」は、米国太平洋軍のハリー・ハリス司令官がよく使うフレーズである。北朝鮮をめぐる米朝間の緊張の高まりは、東アジアでの戦闘を現実味のあるものにしている。 しかし、もし戦闘が起きるとすれば、それは新しいものであると同時に、古いものに立ち戻る可能性もある。 ハリス司令官はかねてからクロスドメイン攻撃の可能性を指摘している。従来の陸、海、空という三つの作戦領域に加えて、第四の作戦領域が宇宙、第五の作戦領域がサイバースペースであることはすでに広く知られている。それに加えて未来の戦争はクロスドメイン(領域横断)になる。つまり、陸軍対陸軍、海軍対海軍、空軍対空軍という戦いはもはや成り立たな

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    Baatarism 2017/08/20
  • インテリジェンス機関をもてあますトランプ大統領

    トランプ大統領は、インテリジェンス(諜報・情報)に関して、まったくの素人だった。自らが上に立つインテリジェンス活動の大きさと内容に驚き、どう扱って良いのか困っている。それが現在の混乱を生んでいるのだろう> 歴代の米国大統領がインテリジェンス(諜報・情報)機関とどのような関係を築いてきたのかは興味深いテーマである。 特に、現在のドナルド・トランプ大統領が中央情報局(CIA)、国家安全保障局(NSA)、連邦捜査局(FBI)といった主要なインテリジェンス機関との関係構築に失敗していることは、トランプ政権の外交政策・安全保障政策に少なからぬ影響を与えることになるだろう。 FBIは、来は法執行機関(警察)の元締めだが、カウンター・インテリジェンス(防諜)という役割でインテリジェンス・コミュニティの一角を担っている。そのFBIが大統領選挙に深く関与し、そして、新政権発足後100日あまりという中途半

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    Baatarism 2017/07/21
  • 日本関連スノーデン文書をどう読むか

    <スノーデン文書の中から日に関連したファイル13が公開された。日米両国政府が共謀し、日国民のプライバシーを侵害しようとしている? 私は、日政府のサイバー防衛のための努力、国を守るための努力だと考えたい> 2017年4月24日、スノーデン文書の中から日に関連したファイル13がインターセプトとNHKによって公開された。 スノーデン文書とは、言うまでもなくエドワード・スノーデンが米国国家安全保障局(NSA)から持ち出した文書で、それを受け取ったジャーナリストのグレン・グリーンウォルドらが作ったオンライン・メディアがインターセプトである。 スノーデンが持ち出した文書の全容はいまだわかっていない。スノーデン自身は、NSAの活動に問題があると確信して文書を持ち出し、ジャーナリストたちに渡したが、自分ではその内容を精査する能力を持ち合わせておらず、ジャーナリストたちにいわば「丸投げ」した。彼

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    Baatarism 2017/05/08
  • 暴露が続くアメリカ政治――ロシアが仕掛ける「情報攻撃」

    <近年、軍を動かすと同時に「情報攻撃」を展開するロシアの「ハイブリッド戦争」が注目されていた。アメリカ大統領選挙にともなうさまざまな「暴露」は、プーチンにとって「反撃」だった...> 先月、『暴露の世紀』(角川新書)というを上梓した。昨年は米国大統領選挙に伴ってさまざまな暴露が行われ、パナマ文書の暴露もあった。少しさかのぼれば2013年のエドワード・スノーデンによる米国国家安全保障局(NSA)のトップシークレット文書の暴露、2010年にはウィキリークスによる米国政府公電の暴露があった。 こうした大規模な暴露の背景には情報通信技術IT)の普及があることはいうまでもない。1969年に暴露されたペンタゴン・ペーパーズはタイプされた文書であり、オリジナルは15部しか作られず、3000ページの分析と4000ページの政府文書で構成されていた。当時の低い性能のコピー機で密かに複製するのには大変な労力

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    Baatarism 2017/01/15
  • 米国大統領選挙を揺さぶった二つのサイバーセキュリティ問題

    中国・杭州で開催されたG20サミット(9月4日)で対面するプーチン大統領とオバマ大統領 Sputnik/Kremlin/Alexei Druzhinin/via REUTERS <9月の杭州でのG20サミットは、ロシアに対する見方が変わった転換点といえるかもしれない。クリントンの私用電子メール問題、民主党に対するサイバー攻撃という二つの問題が重なり合い、それが大統領選挙に影響した可能性がある> 2016年9月、北京で中国のサイバーセキュリティ研究者と話していて、おやっと思ったのは、「最近のロシアがおかしい」という指摘が出てきたときである。 その直前の9月4日、中国の杭州で開かれたG20サミットの際、ロシアのウラジミール・プーチン大統領は中国の習近平国家主席にアイスクリームをお土産に持ってきて友好関係をアピールしていた。ところが、中国のサイバーセキュリティ研究者は、ロシアが国連でまとめた情報

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    Baatarism 2016/12/19
  • スノーデンが暴いた米英の「特別な関係」、さらに深まる

    <スノーデンの暴露で注目された米国と英国の密接な協力関係。今また、英国政府の機関が米国のIT企業や通信会社の記録を手に入れることができるようになる、という協定を協議中だ> スノーデンが暴露した米国と英国の密接な協力関係 今から3年前、米国国家安全保障局(NSA)で民間の契約社員として働いていたエドワード・スノーデンが、NSAのトップシークレット文書を大量に暴露した。当時の様子を記録したドキュメンタリー映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』の日公開が6月11日(土)に始まり、再びスノーデンが注目されている。スノーデン人のインタビューが週刊誌に掲載されたり、人が遠隔中継で参加するイベントも都内で開催されたりした。 【参考記事】スノーデンが告発に踏み切る姿を記録した間違いなく貴重な映像 スノーデンが暴露した文書で注目された点の一つが、米国と英国の密接な協力である。かねてから両国のインテリ

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    Baatarism 2016/06/17
  • 日本は、サイバー・ハルマゲドンを待つべきか

    サイバー攻撃のほとんどは武力攻撃ではない。誰がこれに対処するのかが難問だ Shutterstock/ Sergey Nivens 「サイバー攻撃で最も暴力的なアクションとは何か。」 英空軍を退役したウィリアム・ブースビー元英空軍法務部副部長・准将は、赤十字国際委員会が東京で主催した「現代のサイバー戦争における課題―実務的観点から―」と題するイベントで聴衆に尋ねた。 「それはマルウェアを放つためにマウスをクリックすることだ。」 銃の引き金はわかりやすい。弾丸が発射される衝撃があり、火薬のにおいがあるだろう。おそらく瞬時に標的をとらえたのかどうかも分かる。しかし、サイバー攻撃のためのマウスのクリックには、そうした衝撃も、においもなく、マルウェアが相手にどのような被害を与えたのかも即座に分からない。それなのに、銃の弾丸ではとうてい届かない地球の裏側まで瞬時にマルウェアを届かせることができる。 お

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    Baatarism 2015/10/16
  • サイバー攻撃で、ドイツの製鋼所が甚大な被害を被っていた

    2014年12月末、ドイツ政府の情報セキュリティ庁(BSI)からサイバーセキュリティに関する報告書が公表された。BSIは、もともとはドイツ政府の主要インテリジェンス機関(諜報機関)である連邦情報局(BND)の暗号部だったが、2011年に切り離されて独立の機関になっている。その報告書によると、ドイツの製鋼所のネットワークがサイバー攻撃を受け、溶鉱炉の一つが甚大な被害を被ったという。攻撃者はいわゆる標的型電子メールを送りつけ、制御システムを乗っ取った。その結果、プラントの部品が壊れ、溶鉱炉が正常に停止せず、被害が生じたという。 BSIの分析によれば、プラントに属する特定の個人が狙われ、ソーシャル・エンジニアリングの手法を使って電子メールを開くように細工されていた。メールは一見すると組織内から来たように見えたという。攻撃者たちはプラントの従業員の情報システム(電子メールやウェブなどの情報処理用の

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    Baatarism 2015/09/02
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