前回の記事で触れたとおり、オスマン帝国の君主直属の常備軍をカプクル軍団オジャクラルといい、これを構成するひとつひとつの兵科を軍団オジャクと言いました。その代表にして最も数が多い者たちが歩兵であるイェニチェリ軍団です。 今回取り上げる「ジェベジ」もオスマン帝国の常備軍カプクル・オジャクラルを構成する軍団オジャクのひとつです。彼らは主にイェニチェリの兵士が使う弓、矢、刀剣、鎧、小銃、弾薬などの武器や軍需物資の製造、修理、保管、運搬、支給を担当した補助的な兵科であったとされます。 ジェベジ軍団は、常備軍の中でもイェニチェリや砲兵トプチュ軍団と比べると知名度に劣り、あまり歴史の概説書では出て来ないのでご存知ない方も多いと思います。本棚にあった概説書をいくつか確認したところ、鈴木董先生の『オスマン帝国 イスラム世界の「柔らかい専制」』(講談社、1992年)が「鎧師軍団(ジェベジ・オジャウ)」を紹介し
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