予言の自己成就 何らかの予期が単なる思い込みだったとしても、意識的または非意識的にその予期を実現するような行動をとることによって現実になることがある。社会学者のマートンはこれを予言の自己成就と呼んだ。社会心理学では、行動的確証の過程と呼ばれることもある。 マーク・スナイダーらが行った研究では、互いに顔を知らない大学生を男女1名ずつのペアに分け、顔を合わせないでマイクとヘッドフォンによって会話をしてもらった。このとき、男性には相手の女性のさまざまな情報が与えられ、その中には女性の顔写真も含まれていたが、半数の男性には事前調査で容貌の評価が高かった魅力的な女性の写真を、他の半数には容貌の評価が低かった魅力的でない女性の写真を渡していた。すると、魅力的な女性の写真を渡された男性は、魅力的でない女性の写真を渡された男性よりも、相手の女性を、落ち着いてユーモアがあり社交的な人物であると評定した。 こ