対戦相手のクセを見抜いている 結果発表後、大会の運営にたずさわり、饂飩のソースコードを見ていた東京大学の鳥海不二夫准教授にたずねてみると、こんな推察が返ってきた。 「対戦相手のクセを見抜いているんじゃないかと」 なるほど、と思わず大声をあげてしまった。 ほかの人工知能は1回1回のゲームで勝つためのルールを考え、正しい決断を下すことに全力を注いでいた。しかし饂飩は「このプレイヤーはこの役割を与えられるとこう行動する」というゲーム外の法則をとらえることで人狼、あるいは村人と思われるプレイヤーを見抜いたのではないかというのだ。 プレイヤーの位置がシャッフルされるまでの100回は、同じプレイヤーが同じ位置で役割を演じる。人間も「嘘をつくときやたら饒舌になる」といったクセは人それぞれ。人工知能もプログラミングした人間がとらせる行動(クセ)が出る。 暗号解読などにしてもそうだが、相手が本来隠そうとして