「出勤者数の7割削減を」—。小池百合子都知事はそう言うけれど、テレワークはそれほど簡単にできるわけじゃない。やればやるほど会社や社員が壊れていく。そんな「現実」が、そこにはある。 部下が信用できない…… 「自宅の寝室でテレワークをしていた時のことです。部下の女性社員とオンラインで話をしていたのですが、妻がいきなり寝室に入ってきました。イヤホンを使っていなかったので、女性の声がすることを不審に思った妻が突撃してきたのです。 慌ててパソコンを閉じると、激昂した妻から『浮気相手じゃないのか!』と激しく責められました。『そんなわけがない』と必死で説明しても聞く耳を持ってくれない。大ゲンカになってその日は仕事になりませんでした」 こう嘆くのは、オフィス機器メーカーで商品開発部長を務めるAさんだ。 まったく収まる気配がないコロナ禍の中、企業に対し、政府や東京都などの自治体からは、「テレワークを推進せよ