取材のとき、「録音させていただいていいですか」と さらりと聞いてマイクロレコーダーを置く人は9割がた 答えを聞いていない。 「だめです」って言っても、「どうも」と言って置くのは目に 見えてるから、一度「だめです」とさらりと言ってみたくなる。 前職のコンサルタントの時は私もよく取材をしたが、情報収集 のためのヒアリングなので、録音はほとんどしたことがない。 ところが一度、あろうことか、隠し録りをしてしまったことが ある。一緒にヒアリングに行った後輩が、関係者からの 「一言も聞き逃すな」という強い意向を受けてかばんにテープ レコーダーを忍ばせてしまったらしい。 取材が終わってお礼を言ってその場を辞そうとしたそのとき、 後輩がかばんに手を入れ、間違ってテープを逆走させて しまった。キュルキュルキュルという異様な音に空気が凍った。 マッキンゼーでは(当然だが)隠し録りは厳しく禁止されている。 ビル