しかし、無敵のIBMは、ほどなくして大変な苦境に追い込まれる。原因の1つは、コンパックやデルといったPCクローン(IBM互換機)メーカーの台頭でまる。IBMにはこれらの脅威を見くびっていた節もあり、また、脅威を察知していながらも組織の官僚化が進み過ぎていて、有効な反撃に出られなかった、という節もある。 この存亡の危機を乗り越えるため、IBMは事業の大方向転換を迫られた。IBMが創業以来初めての大規模なリストラに着手したのもこの頃、90年代前半のことである。 この難局をうまく乗り切ったのが、ルイス・ガースナーだ。 ルイス・ガースナーは、テクノロジー業界とまったく無縁な場所でキャリアを積んできた経営者だ。IBMの会長兼CEOに就任する以前は、RJRナビスコの会長兼CEOを務めていた。ナビスコは80年代後半、レバレッジド・バイ・アウト(LBO)で会社を上場廃止にしようとしたRJRナビスコのCEO

