ぷらっと沿線紀行(24) 駅に改札はなく、すぐにホームに出られる造りになっていた。線路が単線のため、ホームはひとつしかなく、なかほどに屋根のある待合所が設けられている――。「日本一の夕日が見える駅」として知られる下灘駅には、夕暮れ時になると訪れる人が絶えない海を見下ろす私設のセミナーハウス「人間牧場」で孫の朋樹君とくつろぐ若松進一さん線路脇には、地元の人たちが植えたフヨウが咲いていた海に面して広がる棚田の向こうを、気動車が走り抜けていった=いずれも愛媛県伊予市で1980(昭和55)年に海沿いに国道が開通する前の下灘駅。線路のすぐ下に海岸が迫る(愛媛県伊予市提供) 天童荒太(てんどう・あらた)さんの長編小説「永遠の仔(こ)」の終章近く。主人公の一人、少女時代の優希と母親が、駅のホームから海を見ながら、互いの傷ついた心象を語り合う場面が描かれる。 17年の時を行き来しながらつむがれ
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