最近すこしずつ目立ってきたのが、上場企業の自主的な非公開化である。 多くの事業経営者にとっては、自社を株式市場に公開することがひとつの夢である。 営々と築き上げてきた事業が社会的に認められ、 晴れて一流企業の仲間入りを果たすわけだ。 株式公開時に手持ちの株を一部手放すことで、巨額の現金を手にすることもできる。 株式公開はまた社会的な信用力を高め、銀行などからの融資条件を有利にしてくれる。 人材の採用においても、上場企業ですといえるのは大きい。 どこの馬の骨か知れない会社に就職するのと、上場企業に勤めているというのとでは、 イメージが違う。 それなのに、せっかくの上場を取りやめるというのだ。 いろいろな理由があるのだろうが、 ひとつ大きいのは株式を公開していることで 経営状況を常にオープンにしておかねばならないことの重荷がある。 どの企業でも、上場していようがいまいが経営状況を透明にするのは