ソニーが近接無線通信規格「TransferJet」の普及に再び挑む。次世代仕様「TransferJet X」と独自のアンテナ技術を組み合わせて、「B to B」分野での採用を狙う(図1)。その応用先の1つが鉄道分野。ICカードをかざすことなく通過できる新型改札機を東日本旅客鉄道(JR東日本)や日本無線と試作した。 近接無線通信規格「TransferJet」の次世代仕様「TransferJet X」では、最大データ伝送速度を現行の560Mビット/秒から10Gビット/秒に高める。高速化に当たり、利用する周波数帯を変えた。現行仕様では、中心周波数は4.48GHzだが、次世代仕様では同60GHzを用いる。(図:TransferJetコンソーシアムの資料を基に本誌が作成) TransferJetは、もともとソニーが開発した無線技術で、2008年に発表した。同年、機器メーカーや部品メーカーなどと仕様策