イギリス在住のライター、ブレイディみかこさんの新著『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』は、「底辺託児所」からカトリックの名門小学校、そして再び「元底辺中学校」に舞い戻った息子「ぼく」との1年半を綴ったノンフィクションだ。 人種差別、貧困、LGBTQ……「多様性を獲得できるのは上流階級のみ」という過酷な社会状況にありながらも、理解し合うことを諦めない子どもたち。そんな彼らを見て「今は上の世代が下の世代に学ぶとき」だと著者は言う。 なぜブレグジットが起きたのか。子どもたちの現場を知ることで、その背景が見えてくる。 ブレイディみかこさんはイギリスに移り住んで23年目。保育士資格を取得し、「最底辺保育所」(ブレイディさん)で働きながら執筆した『子どもたちの階級闘争——ブロークン・ブリテンの無料託児所から』は、グローバル化と共に深刻化する社会の分断を描き出し、新潮ドキュメント賞を受賞するな