タグ

ブックマーク / blog.tatsuru.com (337)

  • ネット時代の共生の作法 - 内田樹の研究室

    ある学会誌からインタビューの申し込みがありました。携帯の廃棄物としての重要性を論じるという切り口だったのですけれど、いつのまにあぜんぜん違う話になってしまいました・・・ 学会誌なので、一般読者の目に触れる機会がないと思いますので、ここに採録しておきます。 現在、人口比一人1.3台所持しているといわれる携帯電話。その一方で、出荷数2,610万台のうち、その70%の1,780万台が廃棄されています。これだけ消費されている携帯電話ですが、ケータイやネットによるいじめや犯罪など、現代の社会問題としてもクローズアップされてきています。この膨大な廃棄物となる携帯電話は、何のために利用され、わたしたちのくらしとどう折り合いをつけていくのか。人間の社会活動に造詣の深く日和らない、武道家であり思想家である内田樹氏に、ネット社会のありようやこれからの社会の行方を伺いました。みなさんとともに考えていきたいと思い

    D-S-C-H
    D-S-C-H 2014/09/05
  • 大阪保険医新聞のインタビュー - 内田樹の研究室

    大阪府保険医新聞というところから取材を受けた。ロングインタビューで、グローバリズムと医療の問題について思うところを述べた。 インタビュアーは大阪府保険医協会の安田雅章副理事長。 「蓄積」という日の強み活かそう 「何となく違和感」を持ったまま立ち止まる若者たち 安田 内田先生は長年教員生活を送ってこられましたが、若者に変化を感じられましたか。 内田 社会全体が変化すれば、若者もそれにつれて変化するのは当然ですが、いわれるほど劇的な変化があったようには思いません。ただ、社会全体の傾向として、反教養主義・反知性主義の傾向は明らかに見て取れます。それと、コミュニケーション能力が全体として落ちているということは言えると思います。 その集団の持つ「知性の総量」は変化しないというのが僕の経験則です。ですから、ある局面で知的な力が落ちてきた場合には、どこか違うところで思いがけない新しい知的活動が起きてい

    D-S-C-H
    D-S-C-H 2014/09/04
  • 「若者よマルクスを読もう2」まえがき - 内田樹の研究室

    『若者よマルクスを読もうII』 が7日に書店に並ぶので、販促のために「まえがき」を掲げておきます。おもしろいですよ。買ってね。 みなさん、こんにちは。内田樹です。 『若者よマルクスを読もうII』は石川康宏先生と僕の同名の共著の続編です。このシリーズの企図はオリジナルの「まえがき」にも、書に収録した『韓国語版への序文』にも書いてあります。若い人たちにひとりでも多くマルクスを読んで欲しい。それが著者ふたりの素朴な思いです。 今、若い人たちはもうマルクスを読みません(日だけでなく、世界中がそうです)。若い人に限られない。もう誰もマルクスを読まない。僕たちはこの否定的な現実から出発しなければならないと思います。でも、なぜ誰もマルクスを読まなくなってしまったのか? 超大国アメリカの人たちは1950年代なかば、マッカーシズムの時代に「マルクスを読む」という知的習慣を国民的規模で放棄しました。「私

    D-S-C-H
    D-S-C-H 2014/09/04
  • 旦那芸について - 内田樹の研究室

    宝生流で出している『宝生』という雑誌に能楽についてのエッセイを寄稿した。 これもふつうの人の眼に止らない媒体なので、ここに採録。 「旦那芸」というかたち 観世流の謡と舞の稽古を始めて十七年になる。二年前に初能で『土蜘蛛』を披き、今年の六月には『羽衣』で二度目の能の舞台を踏んだ。次の能は再来年で、『敦盛』を舞う予定になっている。私が専門とする合気道の基準を当てはめると、まず「三段」というあたりである。ようやく薄目が開いてきて、自分がそもそもどういう技芸を学んでいるのか、自分はなぜこの技芸の習得をめざしたのか、自分はこの芸能の「地図」のどのあたりに位置しているのか、いささか構えて言えば、芸能史におけるおのれの「歴史的役割」は何かということがようやくぼんやりわかってきたあたりである。 こういう自己認知のしかたを「マッピング」と呼ぶ。自分自身を含む風景を上空から鳥瞰的に見下ろしてみるということであ

    D-S-C-H
    D-S-C-H 2014/09/04
  • グローバリズムと英語教育 - 内田樹の研究室

    「グローバリズムと英語教育」というタイトルの文章をある媒体に書いた。英語教育専門の媒体なので、たぶんふつうの方は読む機会がないだろうと思うのでここに採録する。 少し前にある雑誌から「子供を中等教育から海外留学させることがブームになっている」という特集を組むので意見を聴きたいと言ってきた。そういう人がいるとは聞き知っていたが、特集を組むほどの拡がりとは知らなかった。 聞けば、富裕層は欧米の寄宿学校へ子供を送り、それほど富裕でもない層ではアジア諸国に移住して子弟をインターナショナル・スクールに通わせ、父は単身日に残って働いて送金するというかたちが選好されているそうである。 半信半疑だったが、その後バリ島に行ったとき、現地の日人の方からバリ島のインターナショナルスクールに日人の母子を誘導する計画があるという話を聴いて得心した。なるほど、そういう時代になったのだ。 これが意味するのは、親たち

    D-S-C-H
    D-S-C-H 2014/09/04
    分かってる、気がしてるだけ、、、;グローバリズムと英語教育 (内田樹の研究室)
  • 「ひとりでは生きられないのも芸のうち」韓国語版序文 - 内田樹の研究室

    『ひとりでは生きられないのも芸のうち』(文春文庫)の韓国語版が出ることになった。 序文を頼まれたので、こんなものを書いた。 韓国のみなさん、こんにちは。内田樹です。 『ひとりでは生きられないのも芸のうち』をお買い上げ下さいまして、ありがとうございます。これで僕の韓国語訳もそろそろ10冊に近くなりました。 韓国との外交関係がこのところ険悪な日ですが、その隣国の書き手のを次々と翻訳出版してくださっていることにまず心からお礼を申し上げます。 他にも現代日社会を論じているはいくらもありますが、なぜ僕のが選好されるのでしょうか。 こういう問いがあまり品のよいものではないことは僕も承知しています(「私のはなぜ売れるのか?」なんて、ちょっとうんざりさせられるタイトルですからね)。 でも、僕はこの問いに興味があります。それについていささか思うところを述べて「韓国語版序文」としたいと思います

    D-S-C-H
    D-S-C-H 2014/08/19
  • 終戦記念日に - 内田樹の研究室

    敗戦から69回目の夏、日人は安全保障について戦後最大の転換点を迎えた。 7月1日の閣議決定によって、集団的自衛権行使が容認され、この69年間わが国の平和を守ってきた憲法九条が事実上廃棄されたのである。 エール大学のブルース・アッカーマンはこれを日米関係の重大な変質を意味するものだと解した。そして、ヘーゲル国防長官が安倍の「大胆にして、歴史的、画期的な決定」に「強い支援」を約束し、「アメリカが二世代にわたって支持していた日の憲法秩序を否定した」ことに疑念を呈している。 「安倍の決定がアジアの自由民主主義の未来に与える破壊的衝撃(devastating impact)」を勘案すれば、これはホワイトハウスが扱うべき事案でなければならない。にもかかわらず、オバマとケリーが中東問題に忙殺されて、この重大な閣議決定についての評価を国防総省に丸投げしてしまったことをアッカーマンはきびしく批判している

    D-S-C-H
    D-S-C-H 2014/08/15
  • アッカーマン教授の安倍政権論 - 内田樹の研究室

    エール大学のブルース・アッカーマン教授が先週の日ドイツの動きについて、これらはアメリカとの戦後パートナーシップの重大な変質の予兆であるという見解を述べています。 とりあえず、日に関係のある部分を翻訳しておきます。 「安倍晋三首相は時代錯誤的なナショナリストであり、日の戦後憲法はマッカーサーの占領政策によって不当に押しつけられたものだとして、彼の自民党を先導して憲法への信頼性を傷つけるキャンペーンを展開している。 彼の最初の標的は九条であった。彼は当初は憲法に規定してある国民投票に訴えて、これを廃絶することを目指していたが、この動きが広汎な世論と議会内部での抵抗に遭遇すると、ギアを入れ替えて、憲法をいじらないままで目的を達成する方法を探った。 7月1日安倍は彼の政府は憲法九条を「再解釈」することで、憲法が「永遠」に放棄したはずの「武力による威嚇または武力の行使」は可能であると宣言して

    D-S-C-H
    D-S-C-H 2014/07/17
  • 立憲デモクラシーの会、7月4日の記者会見 - 内田樹の研究室

    立憲デモクラシーの会の記者会見での発言全記録の音声起こしができたので、公開します。 安倍政権の「デマゴギー」に対する徹底的な批判が語られております。 立憲デモクラシーの会 記者会見 安倍内閣の解釈改憲への抗議声明 (2014年7月4日 第二議員会館第四会議室) ◆参加者(敬称略) 山口二郞=司会(法政大学教授/政治学) 奥平康弘(東京大学名誉教授/法学) 小林節(慶應義塾大学名誉教授/法学) 千葉眞(国際基督教大学教授/政治思想史) 小森陽一(東京大学教授/日文学) 中野晃一(上智大学教授/政治学) 山口:それでは、予定した時間がまいりましたので、これから立憲デモクラシーの会による、今回の閣議決定に対する抗議声明の発表をさせていただきます。最初に、この立憲デモクラシーの会の共同代表のひとりであります、奥平康弘・東京大学名誉教授から冒頭、挨拶をいただきます。 今現在、我々の前で展開している

    D-S-C-H
    D-S-C-H 2014/07/15
    腑に落ちるか;立憲デモクラシーの会、7月4日の記者会見 (内田樹の研究室)
  • 立憲デモクラシーの会からの抗議声明 - 内田樹の研究室

    安倍内閣の解釈改憲への抗議声明 2014年7月2日 立憲デモクラシーの会 安倍内閣が7月1日、閣議決定によって憲法9条の政府解釈を変更し、集団的自衛権の行使を可能にする方針を示したことは、憲法の枠内における政治という立憲主義を根底から否定する行為である。これは、一内閣が独断で事実上の憲法改正を行おうとするに等しく、国民主権と民主政治に対する根的な挑戦でもある。 私たちは先に、以下のような論点を示した(6月9日)。 1 解釈改憲は憲法に基づく政治という近代国家の立憲主義を否定する。 2 首相が示した集団的自衛権を必要とする事例等は、軍事常識上ありえない「机上の空論」であり、強硬策がかえって危険を高めることを無視している。 3 「必要最小限度」の集団的自衛権の行使は不可能である。 4 東アジアで求められているのは、緊張の緩和である。 このたびの閣議決定は、以上の論点に照らし、とうてい容認でき

    D-S-C-H
    D-S-C-H 2014/07/05
    教科書を読み直す;立憲デモクラシーの会からの抗議声明 (内田樹の研究室)
  • 『憲法の空語を充たすために』まえがき - 内田樹の研究室

    『憲法の空語を充たすために』というリーフレットを来月出版する(かもがわ出版)。その「まえがき」をさきほど送稿したので、どういうかご理解いただくためにここに採録。 みなさん、こんにちは。内田樹です。 このリーフレットは2014年5月3日の憲法記念日に神戸市で行われた兵庫県憲法会議主催の集会で行った講演に加筆したものです。 この講演のあと、予想通り、安倍晋三政権は7月1日の閣議決定によって歴代政権が維持してきた「集団的自衛権は行使しない」という方針を転換し、海外派兵への道を開きました。日の平和主義を放棄するという歴史的決断を首相個人の私的諮問機関からの答申を受けて、自公両党の与党協議による調停だけで下したのです。 国のかたちの根幹にかかわる政策の変更に立法府がまったく関与していない、つまり国民の意思が徴されないという異常な事態にもかかわらず、国民の側からはつよい拒否反応は見られません。讀賣

    D-S-C-H
    D-S-C-H 2014/07/05
  • Japan Times の記事から - 内田樹の研究室

    安倍、デモクラシーをハイジャック、憲法を空洞化。 JEFF KINGSTON 民主的プロセスを簡略化することで、安倍晋三首相は有権者からの負託を濫用している。憲法九条の解釈変更によって日の軍事行動への制約を解除し、集団的自衛権を容認しようとする彼の動きは安倍が日のデモクラシーを破壊しつつあることの直近の実例である。 日米両国における彼と彼の支持者たちは、憲法九条は時代遅れであり、増大しつつある地域の脅威に対処すべく、日はより断固とした軍事的役割を果すことが重要であると主張している。 日が安全保障においてよりマッチョな役割を演ずべきだと主張しているこれらの人々は、日は危険な隣国に囲まれており、日の軍事的行動への制約が日米同盟を傷つけていると指摘する。 それゆえ、日は集団的自衛権を含む軍事行動に参加する喫緊の必要性があるというのが彼らの所見である。 なるほど。だが、ほんとうに安倍

    D-S-C-H
    D-S-C-H 2014/06/23
    いつまで走り続けるか;Japan Times の記事から (内田樹の研究室)
  • 立憲デモクラシーの会の緊急記者会見 - 内田樹の研究室

    2014年6月9日立憲デモクラシーの会緊急記者会見(衆議院第一議員会館) 【参加者】 司会・杉田敦(法政大学・政治学) 山口二郎(法政大学・政治学) 西谷修(立教大学・思想史) 千葉眞(国際基督教大学・政治学) 小森陽一(東京大学・日文学) 小林節(慶應義塾大学名誉教授・憲法学) 阪口正二郎(一橋大学・憲法学) 中野晃一(上智大学・政治学) 杉田敦(法政大学・政治学):それでは「立憲デモクラシーの会」の記者会見を始めさせて頂きます。私、日司会をいたします法政大学の政治学の杉田でございます。それではまず、山口代表のほうから、一言申し上げます。 山口二郎(法政大学・政治学): 共同代表の1人であります法政大学の山口です。このたび、安保法制懇報告および、それを基にして出されました5月15日の安倍首相記者会見の内容を中心に、今の政府が進めようとしている集団的自衛権行使容認についての見解をまとめ

    D-S-C-H
    D-S-C-H 2014/06/13
  • GQの人生相談6月号 - 内田樹の研究室

    Q1 抽象的な質問なんですけど、漠然たる不安を感じています。これを打ち払うにはどうすればよいでしょうか。 「漠然たる不安」というのは、未来が見通せないということなんでしょうね、きっと。でも、未来はいつだって不透明ですよ。僕の知る限り、僕の生まれた1950年からあと63年間、先行きがクリアーに見通せたことなんか、一度もないですよ。 50年代の終わりは、いつ核戦争が起きて世界が滅びるかわからなかったし、60年代は世界中で革命闘争が展開していて、体制は全部崩れそうだったし、80年代はやけくそな蕩尽に浮かれていたし・・・、そしてそのつど「思いがけないこと」が起きて、時代ががらりと方向転換したのでした。 確かに原発事故処理も震災からの復興も遅れているし、首都圏直下型地震や南海トラフ地震がいつ来るかわからないし、解釈改憲で戦争に巻き込まれるリスクも高まっているし、国の赤字は積もる一方だし……。いろいろ

    D-S-C-H
    D-S-C-H 2014/05/27
    信じる、というか。。。;GQの人生相談6月号 (内田樹の研究室)
  • 世阿弥の身体論 - 内田樹の研究室

    というお題での寄稿を「観世」から頂いた。 書いてはみたけれど、ぜんぜん世阿弥の身体論が出てこない文章になってしまった・・・ 観世流の広報誌という一般の方が読む機会のない媒体なので、ブログに転載して、ご高覧に供したい。 「いつもの、あの話」ですので、あまり期待しないように。 世阿弥の身体論 平安末期から室町時代にかけて能楽と武芸と鎌倉仏教が完成した。それらは日列島でその時期に起きたパラダイムシフトの相異なる三つ相であるという仮説を私にはしばらく前から取り憑かれている。そういうときには「同じ話」をあちこちで角度を変え、切り口を変えながら繰り返すことになる。今回は能楽の専門誌から「世阿弥の身体論」というお題を頂いたことを奇貨として、「同じ話」を能楽に引き寄せて論じてみたい。 武道と能楽と鎌倉仏教を同列に論ずる人が私の他にいるかどうか知らない。たぶんいないと思う。私の鎌倉仏教についての理解はほと

    D-S-C-H
    D-S-C-H 2014/05/23
    出会う機会がない;世阿弥の身体論 (内田樹の研究室)
  • 半分あきらめて生きる - 内田樹の研究室

    半分あきらめて生きる 「半分あきらめて生きる」という不思議なお題を頂いた。「あるがままの自己を肯定し、受け入れるためには、上手にあきらめることも必要なのでは。閉塞感漂う現代社会でどう生きていけばいいのか」という寄稿依頼の趣旨が付されていた。 『児童心理』という媒体からのご依頼であるから、不適切な(過大な)自己評価をしている子供たちの自己評価を下方修正させることの効用と、そのための実践的な手順についてのお訊ねなのであろうと思った。 なぜ私にそのような原稿発注があったかというと、ずいぶん前に学校教育について論じた中で、「教師のたいせつな仕事のひとつは子供たちの過大な自己評価を適正なレベルにまで下方修正することにある」と書いたことがあるからである。これはたしかにほんとうの話で、「宇宙飛行士になる」とか「アイドルになる」とか「サッカー選手になる」とかいうことを「将来の夢」として小学生が卒業文集に書

    D-S-C-H
    D-S-C-H 2014/05/15
  • NewYork Times 「日本の平和憲法」 - 内田樹の研究室

    5月8日付けのNew York Times の社説Japan's Pacifist Constitution が、日の民主制がいよいよ危機的状況に直面していると報じた。 改憲の動きにアメリカはこれまでもつよい警戒心と不快感を示してきたが、官邸はアメリカの反対をかわす意図で、「憲法をいじらずに解釈改憲で実質的に九条を空洞化する」戦術を選択した。 これまでのところ、ホワイトハウスは解釈改憲が専一的にアメリカの軍事戦略への協力をめざすものであるという説明を受け入れてきたが、ニューヨークタイムズに代表されるアメリカリベラル派の世論は安倍内閣の「積極平和主義」路線がその質においてアメリカの国是である民主主義そのものを否定するモメントを含んでいることを指摘している。 アメリカ政治理念を否定する政権がアメリカの戦略的パートナーであるということは、開発独裁や対露、対中戦略を見るとありうることである

    D-S-C-H
    D-S-C-H 2014/05/11
  • 法治から人治へ - 内田樹の研究室

    安倍政権は集団的自衛権の行使について、行使の範囲を明確にしない方向をあきらかにした。 「行使を容認できるケースを『放置すれば日の安全に重大な影響が及ぶ場合』と定義し、これが自衛権を発動できる『わが国を防衛するための必要最小限度の範囲』に入ると新たに解釈する。『重大な影響』『必要最小限度』の基準が何を指すかは解釈変更後の政策判断や法整備に委ねる。 今の政府解釈は、武力行使が許される必要最小限度の範囲を『わが国が攻撃(侵害)された場合に限られる』と明示し、個別的自衛権だけ認めている。政府原案は、これに集団的自衛権の一部が含まれると新たに解釈するものだ。政府は解釈変更後に個別の法律で行使の範囲を示し、法で縛ることで行使は限定されると説明する方針。だが、憲法上の解釈が『安全に重大な影響』と曖昧では、時の政府の判断で範囲が際限なく広がる可能性があり、歯止めはなくなる。 政府原案では、憲法九条の下で

    D-S-C-H
    D-S-C-H 2014/04/18
    何度か読み直し;法治から人治へ (内田樹の研究室)
  • 大阪大学コミュケーションデザインセンター外部評価報告書 - 内田樹の研究室

    阪大のコミュニケーションデザイン・センター外部評価委員を委嘱された。 平田オリザさんからのご依頼であるので喜んでお引き受けした。 村上陽一郎先生を委員長とする評価委員会の報告書がさきほど届いたので、その中の自分の書いた分だけを採録する。 評価書(内田樹) 1.組織と運営 a.すぐれている点 コミュニケーションデザイン・センターの設立趣旨はたいへんユニークで、かつすぐれたものと評価できる。領域を異にする専門家間の、あるいは専門家と非専門家間のコミュニケーションは、特異な能力を持った媒介者の存在なしには果し得ない。 しかし、この機能を担いうる「架橋する知性」あるいは「トリックスター的知性」を評価する伝統は日の大学には存在しなかった。ひとつには、そのような知性を育てる効率的なプログラムが知られていなかったからであり、ひとつには架橋的な活動を数値的に評価する基準が存在しなかったからである。阪大の

    D-S-C-H
    D-S-C-H 2014/04/17
  • 平田オリザさんからの台湾速報 - 内田樹の研究室

    佐藤学先生と入れ替わるように台湾の大学で集中講義をされた平田オリザさんから、台湾事情についてたいへん興味深いレポートが寄せられました。 ふうむ、そういうことなのか・・・ 第一報(4月4日) 佐藤先生と入れ替わりで、四月一日から台湾に来ています。国立台北藝術大学で五日間の集中講義(ワークショップ)をしています。 立法院の占拠は、政府が強攻策をとるという噂もあれば、このまま持久戦に持ち込んで学生が疲れるのを待つのではないかという説もあります。今週は台湾の大学は、もともと休みなので(私は、その期間を利用して行う公開講座の講師として呼ばれたのですが)、大学が再開される来週からが山場かもしれません。 私がいまいるのは、芸術系の大学ですので、教授陣も全員が学生側を支持しています。今回は特に、「サービス貿易協定」で言論の自由を実質的に封殺される可能性の高い演劇、映画、出版界などからの支持が強いようです。

    D-S-C-H
    D-S-C-H 2014/04/06