年末やお盆に帰省したり、たまに電話したりする中で親の老いを認識し、ふと「介護」の2文字が頭をよぎる――。40代、50代のビジネスパーソンで、こうした経験をする人は少なくないだろう。 「この先直面するかもしれない親の介護に不安を持っているが、何もやっていない人だらけ」。最近、企業が開いた介護関連のセミナ―に招かれたある専門家は、会場に集まった人たちの話を聞いてこんな印象を持ったという。厚生労働省の「平成25年国民生活基礎調査」によれば、親の介護が必要となった主な原因の1位は脳卒中で全体の2割近くを占める(2位は認知症、3位は高齢による衰弱)。親がある日突然倒れて病院に運ばれ、退院後は介護が必要になることもあるわけだ。 そうした中、介護と仕事の両立に漠然とした不安だけを抱えたまま、いざ現実に直面すると危うい。実際、離職した人の中には、介護の主な担い手となったものの、情報を持ち合わせていないため