前回は、新秩父宮ラグビー場の座席数が大幅に削減される理由や、座席が3面(ゴール裏1面は巨大スクリーン)となったわけについて、事業・運営を担う秩父宮ラグビー場株式会社の代表企業である鹿島建設の関係者などに訊いた。 3回目の今回は、現秩父宮との大きな変更点で、かつ多くのラグビーファンが抱いたもう一つの懸念事項である「全天候型スタジアム」「人工芝」について解説したい。 ◇ 新秩父宮は当初、観客席のみ屋根付きで建て替える構想だった。しかし、全天候型、つまり「屋根付きの完全密閉型」に方針転換したのは、日本ラグビー協会がスポーツ庁主催の「ラグビーの振興に関する関係者会議」(第2回/2020年9月)で要望したためだ。’21年1月の同会議(第3回)で決定している。 開閉式可動屋根にすることで天然芝を維持できるのではという声もあるが、費用面で現実的ではない。トヨタスタジアムは修繕費が高額で、結局開けっ放しと