photographers’ gallery とKULA PHOTO GALLERY の2 会場を使い、新作100 点と10 年以上前に制作されたヨーロッパのロールプリントを展示する2 部構成となります。この展示によって金村修の新たな側面が発見されるのではないでしょうか。ぜひ、ご高覧下さい。 作家ステイトメント 「屠殺の国のアリス」は、世界に去勢と忘却を強要する弁証法的唯物論であり、“国家の死滅”を説くレーニンの社会主義理論をより極北に向けてオーバードライブする未来の死滅のための希望のない弁証法的唯物史観なのだ。未来は死者の領域であり、“三億人の死者、それがわたし達の未来”は、カフカの『審判』の法廷にお ける永遠の判決の引き延ばしのように、平坦で起状のない反復を繰り返す。反復に未来はない。反復を教義の中心に置く去勢と忘却の唯物論は、文化、歴史、価値、伝統を世界の上部構造から一掃するだろう。