アジアでの勢力拡大を狙うテロ組織ISIS(自称イスラム国、別名ISIL)が、迫害を受けてミャンマー(ビルマ)を脱出しているイスラム系少数民族ロヒンギャ族を戦闘員に勧誘し、訓練しているという。 この数年でミャンマーを脱出したロヒンギャ族は最大10万人に上り、兵力増強をもくろむISISの格好の標的になっているとの懸念が高まっている。彼らの目指す地が、ISISが人員募集を活発に行っているマレーシアやインドネシアであればなおさらだ。 現在、シリアとイラクでISISメンバーとして戦闘に加わっているインドネシア人は約700人、マレーシア人は約200人だ。シンガポールのリー首相は先週、「東南アジアはISISにとって重要な人材勧誘の場になっている。インドネシア人とマレーシア人のISIS戦闘員は多く、彼らだけで一部隊をつくっている」と語った。伝えられるところでは、この部隊はカティバ・ヌサンタラと呼ばれている
今回の事件をきっかけに、日本人が今後さらにテロリストにとって利用価値の高い格好の標的になる可能性が高くなったといっても過言ではない。 遠い中近東でなく、日本の近隣諸国で活動してきた東南アジアのイスラム過激派組織のJIは、バジル師ら中核メンバーが逮捕され弱体化しつつも、インドネシア、マレーシア、タイ南部、シンガポール、フィリピン南部、ブルネイにおけるイスラム国家樹立を目指している。 そして依然としてタイ南部のイスラム過激派によるテロやフィリピンの「アブサヤフ」による身代金目当ての誘拐事件に加え、インドネシアでは「東インドネシア聖戦士機構」(MIT)や「ジェマー・アンシャルット・タウヒッド」(JAT)によるテロ事件などが頻繁に発生している。 JIの残存勢力を含む同一派が復活を狙っているとも指摘され、日本にとっても対岸の火事ではない。シリアやイラクで勢力拡大するISによるプロパガンダが、こうした
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