「ドイツのアンゲラ・メルケル首相が『女王様』として君臨し、ギリシャ人を奴隷扱いしている」 といった比喩だと思われるなら、それはちょっと違います。近代以降ギリシャがイスラム圏=オスマン・トルコ帝国から独立するに当たって、最初に即位したのがバイエルン国王ルートヴィヒⅠ世の息子オットーだったことを言っています。 ちなみに即位してオソンⅠ世となったオットーの甥が有名な「狂王ルートヴィヒ」で、作曲家ヴァーグナーのパトロンなどとして有名なルートヴィヒⅡ世にほかなりません。 あまりの不人気にオソンⅠ世はギリシャを追放されます。強制的に退位させられ、晩年は甥の「狂王」が(名ばかり)統治するバイエルンで、ギリシャの民族衣装を着けたまま隠遁生活を送った・・・。そう(名ばかり)のドイツ人ギリシャ王だったわけです。 ギリシャ人なら誰もが知る基本的な背景なくして「西欧としてのギリシャ」という特異な問題を考えることは