今年のモスクワは、5月に入っても雪の吹き荒れる日があるなど異常気象の様相を呈した。ロシアで最も重要な祝日とされる対ドイツ戦勝記念日(5月9日)も、気温が4度までしか上がらず、空を分厚い雨雲が覆う中で、「赤の広場」の軍事パレードや式典が行われた。 戦勝記念日に悪天候が予想される場合、ロシア軍は晴天を確保するための特殊作戦を行う。軍用機によって、モスクワに到達する前の雨雲にヨウ化銀や液体窒素などを噴射し、強制的に雨を降らせてしまうのだ。しかし、今年はそれも通用せず、軍事パレードの展示飛行が中止される異例の事態となった。 そんな今年の戦勝記念式典で、プーチン露大統領の横にぴたりと寄り添う、たった1人の外国賓客が目を引いた。旧ソ連15カ国の一つ、モルドバの親露派、ドドン大統領だった。ドドン氏は、軍事パレードの観閲中も「無名戦士の墓」への献花でも、守護霊のごとくプーチン氏の脇を固め、それが何ともプー