米国西海岸のシリコンバレーを本拠地とする同社の法廷戦略を読み解くカギは、この国の反対側で行われている裁判にある。 端末からのデータ抽出を強制するために政府が1789年全令状法という法律を繰り返し利用していることに、同社が初めて立ち向かった裁判だ。 「全令状法」の利用の是非 「政府がみなさんのiPhoneのロック解除を容易にするために全令状法を利用できるとしたら、政府はあらゆる人の端末に手を伸ばしてデータを入手する力を持つことになる」。アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は先週、顧客にあてた書簡でこう語った。 アップルは昨年10月、ニューヨークでの裁判について、この状況は「中身を見たい金庫があれば、金庫メーカーの担当者に全米を巡回させて解錠にあたらせる、あるいは鍵メーカーの担当者を派遣してピッキングさせるために政府が全令状法を使おうとすることと何ら変わりはないだろう」と述べていた