岸田文雄首相が自民党政調会長だった2019年10月にニュート・ギングリッチ元米下院議長と面会したのは、当時の安倍晋三首相の要請だったと、複数の岸田政権の関係者が朝日新聞の取材に明らかにした。面会には世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の友好団体「天宙平和連合(UPF)ジャパン」のトップである梶栗正義議長ら、教団関係者が同席していたとみられる。 複数の関係者によると、当初は安倍氏がギングリッチ氏らと会う予定だったが、安倍氏の依頼で岸田氏が代わりに面会に臨んだという。当日10月4日は臨時国会の召集日。安倍氏は、岸田氏が党本部でギングリッチ氏らと面会した時間の直前まで、参院本会議で所信表明演説を行っていた。 岸田首相は4日、面会した経緯について、ギングリッチ氏から「元外務大臣(岸田氏)に表敬をしたいという申し入れがあって、お会いした」と記者団に説明し、安倍氏について言及はなかった。