原油価格がじりじりと上昇している。5月16日の時間外取引でWTI原油先物価格は7カ月ぶりに1バレル=48ドルを突破した。 上昇した要因は2つあるとされている。1つ目は、このところ原油価格の下支えになっている供給停止懸念である。カナダの山火事の悪影響は回避されたものの、ナイジェリアの状況は深刻になりつつある。 5月4日、ナイジェリアにある米シェブロンの海上原油掘削施設が武装グループに襲撃され、11日にシェブロンの別の施設が破壊された。この状況を深刻に受け止めた英蘭シェルも操業を停止し、外国人社員を国外に退避させた。 ナイジェリアの原油生産量は日量約240万バレルで、世界全体に占めるシェアは3%未満である。ナイジェリアではこれまで武装グループにより石油関連施設が狙われることが少なくなかったが、今回の件で原油生産量が約20年ぶりに日量200万バレルを割り込んだことに市場関係者の注目が集まったよう
(英エコノミスト誌 2016年1月30日号) ムハンマド・ブハリ大統領は30年前に独裁者として犯した経済的な過ちを繰り返している。 1983年から1985年にかけて、ブハリ氏はナイジェリアの軍事政権の指導者だった。政権を奪取する直前、原油価格は長期にわたる急落を開始した。 ナイジェリアの輸出収入は半分以下に落ち込んだ。経済は深刻な不況に陥り、難局に対処できなかったブハリ氏はクーデターで倒された。 原油急落で急激に冷え込む経済 ブハリ氏は今、再び大統領になっている(昨年公正な選挙で、ひどくお粗末な対抗馬に勝利した。本誌=英エコノミスト=はブハリ氏を支持した)。そして今再び原油価格は急落しており、ブハリ氏が宣誓就任した日の1バレル64ドルから、8カ月後の32ドルに落ち込んだ。2015年の経済成長率は恐らく半減し、6.3%からギリギリ3%強まで低下した模様だ。 石油は、政府の歳入の70%、輸出収
ナイジェリアの次期大統領、ムハンマド・ブハリ氏の顧問らは、アフリカ最大の経済の企業活動を事実上の停止状態に追い込んだ燃料不足を軽減することを目指し、多国籍石油企業と交渉している。 3月末の選挙でナイジェリア史上初めて現職大統領を追い落とす野党候補となったブハリ氏は5月29日、ナイジェリアが経験した中で最悪の部類に入る燃料危機の真っ只中で宣誓就任する予定になっている。 ナイジェリアの大手銀行、ギャランティ・トラスト・バンクは25日、普段より早く店じまいした。各支店で発電機を動かすための軽油が不足していたためだ。 航空燃料不足のために、航空会社は国内線を減便し、国際線は経路が変更された。また、携帯電話事業者3社は、即座に対策が講じられなければ、会社の通信網の機能が低下すると警告した。 ジョナサン政権の「未払金」を払え! 退任するグッドラック・ジョナサン大統領の政権が積み上げたとされる10億ドル
(2014年4月8日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 抜け目のない投資家にとっては、ナイジェリア経済が公式記録より大きいことはだいぶ前から明白だった。だが、成長を牽引する経済活動をより正確に捉えることを意図した2013年の再計算の結果を政府が発表した時に、国内総生産(GDP)が2倍近い5100億ドルになると予想したアナリストは、仮にいたとしても、ごく少数だった。 国際通貨基金(IMF)によって承認された長い審査を経て4月6日に発表された新しい統計では、ナイジェリアは南アフリカを優に上回る大陸最大の経済国となり、世界トップ20入りが射程圏内に入った。 10年以上前から明白だった統計のミスマッチ 統計のミスマッチは、ナイジェリアが国の状況について発信してきたメッセージの矛盾と同じくらい大きかった。ミスマッチが最初に明らかになったのは、2001年にさかのぼる。通信業界の大手国際企業が、ナイジェ
ナイジェリア政府が6日、国内総生産(GDP)推計値を2倍近くに増加させた統計改定値を発表した後、同国は南アフリカ共和国を抜き、アフリカ最大にして世界で26番目の経済大国になった。 統計の修正の結果、2013年のナイジェリアのGDPは5090億ドルとなり、それまで公表されていた推計値を89%上回った。変更は計算のベースとなる年を、経済の構造が今と大きく異なり、銀行業務や通信などのサービスはほとんど統計に現れなかった1990年から2010年に移すことによって生じた。 ネスレからスタンダードバンク、ハイネケンからMTNに至るまで、様々な企業が既にナイジェリアに巨額の投資を行ってきたが、アナリストらは、統計修正はさらなる投資を呼び込むきっかけになると話している。 修正は心理的なインパクト、さらに投資を呼び込むきっかけに 「修正には心理的なインパクトがある。外国人投資家に対し、この国には大きな消費者
ナイジェリアのグッドラック・ジョナサン大統領にとって、ナイジェリア中央銀行(CBN)のラミド・サヌシ総裁はかねて、耳元をぶんぶん飛ぶハエのような存在だった。 サヌシ氏は絶えず大統領に苛立ちを与え、今月は、噂されている来年の大統領選での再選を邪魔しかねない一大疑惑をぶち上げた。 だが、サヌシ氏を職務停止処分とする政府決定は、ナイジェリアに大きな代償をもたらす恐れがある。サヌシ氏ほど挑戦的ではないと見られている後継者を指名したことと併せ、今回の処分は投資家に衝撃を与え、ナイジェリアの通貨ナイラを史上最安値まで下落させた。 ジョナサン大統領のスポークスマンは、サヌシ氏は「金銭的な無謀さ」と「広範に及ぶ不正行為」のために職務を停止されたと述べた。「CBNの授権法、デュープロセス、責務の違反」に関する調査が終わるまで、サラ・アラデ副総裁が総裁代理を務めることになる。 汚職疑惑と関係した政治的な「オウ
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