立憲民主党の長妻昭政調会長は25日の記者会見で、東京都知事選で立民が支援するも3位に甘んじた蓮舫氏の敗因を巡り、24日の都連会合などで「インターネットの使い方に課題がある」との意見が出たと明らかにした。争点を明確化できず、無党派層への浸透も不十分だったとの声もあったと紹介した。 長妻氏は、都知事選結果を受けた都連会長辞任を重ねて否定し、選挙の総括を進めると説明。蓮舫氏を支援した共産党との連携の在り方を問われ「総括をどう生かすかは今後考えないといけない」と述べるにとどめた。
今年開示された企業の女性管理職比率で、複数の地方銀行の比率が昨年より大幅に下がったことが本紙の調べで分かった。昨年は厚生労働省の定義で管理職ではない「課長代理」などを含めて算出していたが、今年は同省が示す管理職の範囲に絞って割合を出したのが理由。女性比率の開示は昨年から上場企業に求められるようになったが、金融庁は、一部の地銀が見せかけの比率を上げるため厚労省の定義で算出していないことを問題視していた。(桐山純平) 女性管理職比率は、上場企業の財務諸表である有価証券報告書(有報)への記載が求められている。本紙が、昨年の女性比率が10%以上だった地銀65行(持ち株会社含む)について今年の有報(6月提出分)と比較したところ、87%の57行は比率の変化が5ポイント未満だった。一方、残り8行は比率の下げ幅が5ポイントを超えており、理由を聞いた。 女性比率を22ポイント下げた京葉銀行(千葉市)は「女性
長引く物価高は、企業による必要以上の値上げが要因との見方が出ている。企業がコスト増加分を上回る値上げで収益を拡大させた一方、賃金に十分還元していないとして、欧米で「強欲インフレ」と呼ばれた現象だ。物価上昇の内容を分析した専門家によると、日本も同様の状況に陥りつつある。(大島宏一郎) 5月末の金曜日、スーツ姿の人が行き交うJR新橋駅前のSL広場。「食品は値上がりしたが、給料は上がっていない。景気は悪いと感じる」(東京都千代田区の30代会社員女性)、「スーパーで買うお菓子の容量や個数が減った」(港区の60代会社員男性)。働く人たちは物価高の厳しさに口をそろえた。連合総研の4月調査で、賃金が物価より上がったと答えた働き手はわずか6%台だ。
東京都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)への3選出馬が確実視されている現職の小池百合子知事に28日、都内に62人いる区市村長のうち実に52人の有志が参加して立候補を要請した。この動きに加わらなかった首長たちは何を思っているのか。(社会部、立川支局、デジタル編集部)
埼玉県の自民党県議団が県議会に提出した県虐待禁止条例改正案は10日、県民からの猛反発を受け、わずか7日で異例の取り下げとなった。ただ、県議団の田村琢実団長が記者会見で「説明不足が原因」として内容に問題がないかのような発言をした点に「ずれがある」と指摘する声も上がった。
コロナ禍や物価高で家計が厳しくなる中、子どもたちの教育格差が広がっている。総務省の2022年の家計調査によると、塾代など「補習教育」の費用がコロナ前の19年と比べ、年収が多い世帯では増加したのに対し、比較的少ない世帯では減少する傾向が出ていた。物価の高騰が収まらない中で、識者らはさらに格差が拡大することを懸念する。 (並木智子) 家計調査 世帯の収入や支出、貯蓄、負債を調べる総務省の全国調査で、特に重要な統計とされる「基幹統計」の一つ。支出は食料、住居、光熱水道、教育、保健医療といった項目に分かれる。収入などの違いによって、支出額がどう異なるかが分かる。消費や景気の動きを捉えるのに使われ、経済政策の立案の参考にもされる。
東京都世田谷区が新たな区史の編さんを巡って執筆者全員に著作権の譲渡を求めた問題で、区は反対していた青山学院大の谷口雄太准教授に執筆させないことを決めた。2023年度の執筆者の委嘱更新に伴い、区が求めていた著作権譲渡の承諾書が3月末の期限までに提出されなかった。区の担当者は「発行時期や区史の内容を含め、区が責任を持って事業を進めるため」と説明した。 谷口氏は中世史を担当する予定だった。2月に区から配布された承諾書で、執筆者の許可がなくても区側で原稿を修正できる「著作者人格権の不行使」を含めた著作権の譲渡を求められ、「行政の解釈で都合よく歴史を書き換えることが可能になる」と見直しを訴えていた。本紙の取材に「関係者と今後の対応を協議する」と話した。 区によると、執筆担当の大学研究者や区内外の学芸員ら41人のうち39人が、著作権譲渡の承諾書を提出。残る1人は、他の仕事を理由に辞退した。24年からの
原発の60年超運転を可能にする政府の脱炭素社会の実現に向けた基本方針に対し、若者からの政策提言に取り組む「日本若者協議会」は19日、基本方針の内容や決定過程を問題視する「GX実行に向けての提言」を発表した。都内で、20代と国会議員が意見を交わす公開シンポジウムも開き、若い世代を含む国民的な議論を求めた。(福岡範行) 提言は、老朽原発の安全性や原発の建設コスト増大などに懸念を表明し、2012年に討論型世論調査などを経て決まった「2030年代の原発稼働ゼロ」を目指すよう要求。原発政策を転換する場合は、政策の案がまとまる前も含めたさまざまな段階で市民が参加できる手法を取り入れ、12年のときのように多くの国民の意見を把握するプロセスを踏むことを求めた。アンモニアを火力発電所の燃料にして二酸化炭素(CO2)排出を減らす技術開発の推進は、実現性や経済性を疑問視し「”無駄な”投資になりかねない」と指摘し
年収300万円未満の低所得世帯の小学生のうち3人に1人がこの1年、習い事や旅行などの体験活動を何もしていないことが、子ども支援団体が15日に公表した調査で分かった。団体は「『体験の貧困』は将来の職業選択、所得にも影響を及ぼす」として国に対策を求める。(榎本哲也) 調査したのは公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン(CFC、東京都墨田区)。生活困窮家庭の子どもに学びや体験の機会を保障する活動をしている。 調査は10月、小学生の子どもがいる全国の保護者2097人にインターネットで実施。スポーツや音楽など定期的な習い事、旅行や動物園など単発での体験の有無を聞いた。「体験格差」に焦点を当てた調査は例がないという。今回は中間報告で、最終報告を来年4月以降にまとめる。
困窮者支援の拠点となっていた東京・JR渋谷駅近くの渋谷区立美竹公園が、市街地再開発に伴い利用禁止になった問題で、渋谷区は14日、仮囲いの追加工事に着手した。公園で生活していた人や炊き出し団体も利用できなくなり、公園は完全に封鎖された。(山下葉月)
四半世紀にわたり続いていた炊き出しの現場が失われようとしている。東京・渋谷駅近くの美竹公園。再開発を理由に、公園を管理する渋谷区が突然、周囲に囲いを立てて出入りの制限に乗り出した。「ここで生きつないできたのに…」。ハロウィーンの喧噪(けんそう)をよそに、切実に語る利用者の声に耳を傾けた。 野菜と鶏肉のまぜご飯。これが、美竹公園の定番メニューだ。公園を拠点とする困窮者支援団体「のじれん」が29日に開いた炊き出しは、豚汁付きで172食が提供された。ボランティア約50人と路上生活者が協力して調理し、配る。支援者の1人は、行列をみながらつぶやいた。「ここでの炊き出しは、きょうが最後かもしれません」—。
ロシアのウクライナ侵攻を受け、米国の核兵器を日本に配備して共同運用する核共有論に加え、与野党の改憲勢力内で「憲法に自衛隊を明記すべきだ」との9条改憲論が勢いづいている。有事の際、武力で国民を守る国家の意思を明確にすべきだとの主張だが、現行憲法の解釈でも自国への攻撃を排除する個別的自衛権の行使は可能。専門家は有事に便乗して「力の論理」が増幅しかねないと警鐘を鳴らす。(村上一樹) 論争のきっかけは、改憲に反対する共産党の志位和夫委員長が先月24日につぶやいたツイッター。「仮に(ロシア大統領の)プーチン氏のようなリーダーが選ばれても、他国への侵略ができないようにするための条項が、憲法9条だ」と発信した。もし日本でプーチン氏のような指導者が現れても、9条で日本が侵略国家になることに歯止めがかかるとの論理だ。 これに対し、自民党総裁時代に、9条への自衛隊明記など改憲4項目の党政策をまとめた安倍晋三元
明治神宮外苑地区(東京)の再開発に伴い、約1000本の樹木が伐採される可能性があることが分かった。再開発計画は9日、東京都都市計画審議会に諮られ、承認されると事業は本格化する。文化遺産保護の提言などを行う「日本イコモス国内委員会」は7日、東京都へ見直しを提言した。(森本智之) 日本イコモスのメンバーで、都市計画が専門の石川幹子・中央大研究開発機構教授が、昨年12月に公表された都市計画案などを基に、現地を歩いて1本ずつ確認する毎木(まいぼく)調査で突き止めた。東京都も取材に、伐採の計画を認めた。 再開発は三井不動産、明治神宮、日本スポーツ振興センター、伊藤忠商事が担う。神宮球場と秩父宮ラグビー場の建て替えに加えて、商業施設やオフィスの入る高さが185メートルと190メートルの2つの複合ビルなど複数の高層建築が計画されている。 神宮外苑は国民からの寄付により1926(大正15)年に完成した日本
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