ゴールデンウィーク初日の4月29日、久々にJ1のゲームを取材した。カードはFC東京対アビスパ福岡。暫定12位と17位の対戦は、後半16分のウェリントンのゴールを守りきった福岡が1−0で競り勝ち、今季初の勝ち点3を手にして16位に浮上した。対するFC東京は順位に変動はないものの、4月2日の名古屋グランパス戦(◯3−2)以来、リーグ戦4試合勝利なし。試合後、味の素スタジアムは猛烈なブーイングに包まれていた。 点差はわずかに1。それでも「サポーターの満足度」という点では、福岡がFC東京をはるかに上回っていた。ただしそれは、単に勝ち負けの差ではない。明らかな差があったとすれば、この試合に臨むにあたり「明確な意図」があったかどうかである──というのが私の見立てだ。 福岡の意図は、この日のシステムからして明快であった。いつもの3−4−2−1から4−4−2に変更。左のワイドで起用されることが多い亀川諒史