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2018年10月19日のブックマーク (5件)

  • 近くて遠い、『リズと青い鳥』と山田尚子の距離 // 抱きしめることをやめた「愛」の物語について - ふかふか団地ブログ

    「ああ、神様。どうしてわたしに」「籠の開け方を教えたのですか」 この藤棚も鳥籠であり、傘木希美もまた自覚なき鳥であることを示唆する 『リズと青い鳥』という名称が指すものは多く、映画『リズと青い鳥』であり、絵・戯曲「リズと青い鳥」であり、吹奏楽曲「リズと青い鳥」であり、劇中劇「リズと青い鳥」である。さらにこれは、武田綾乃「響け!ユーフォニアム 波乱の第二楽章」において記されたものとも差異がある。*1 映画内においてすべての大元となっている絵・戯曲「リズと青い鳥」は、素直に受け止めれば悲劇である。それは昔に読んだという傘木希美の「好きだよ。最後ちょっと悲しいけどね」という感想や、劇中劇として挿入される「リズと青い鳥」の最後の場面が前述の台詞で締めくくられることが大きな要因となっている。 映画『リズと青い鳥』にはさまざまな感想が寄せられているが、その中でも目立つのが「残酷」だというものだ。*

    近くて遠い、『リズと青い鳥』と山田尚子の距離 // 抱きしめることをやめた「愛」の物語について - ふかふか団地ブログ
  • 若おかみは小学生を観に行ってないのが許されるのは中学生までだよね

    若おかみは小学生を見てきた 両親が交通事故で亡くなっておばあちゃんが経営する温泉旅館〈春の屋〉で小学生のおっこが若おかみ修行をするっていうあらすじからしてもう年寄りの涙腺が崩壊確定。 まだ観ていない人のために私から伝えられるのは おっこが!!!かわいい!!!!!!!!! 以上だ。 これより下はネタバレ含む感想垂れ流し文章だから未鑑賞の方は今すぐブラウザバックしてその足でお近くの映画館に行くがいい。 開始五分で両親がおっこに花の湯温泉のドグマを受け渡し、交通事故で両親が退場するスピード感。もうここでメンタルがギッタンギッタンに引き裂かれた。ここから後この娘子はどれだけの心労と苦労とを重ねなければならないのかが容易に想像されて、もういいから早く!!!!!!この子を幸せにしてあげて!!!!!ハッピーエンドを我々は所望する!!!!!わからんのか!!!!!!スタッフ!!!!!!!!と残りの80分弱叫

    若おかみは小学生を観に行ってないのが許されるのは中学生までだよね
  • 少女の通過儀礼から無我の境地までも描く 『若おかみは小学生!』がもたらす極上の映画体験

    素晴らしい映画だ。快活で、情緒豊かで、含蓄がある。少女の通過儀礼というありふれた物語設定から、「森羅万象に神が宿る」とする神道的な精神性に加え、仏教の無我の境地まで描く離れ業をやってのけている。一流の職人たちの丁寧な技術も堪能できる、極上の映画体験である。 内容に触れる前に一つだけ、作を巡る、「この映画は子供向けか大人向けか」という議論について書いておきたい。 結論から言うと、この映画は特定の年齢層に向けられた作品ではない。アニメーションが誰のための技術なのか、所詮子ども向けであり大人が観るものではないのではないか、という物言いは昔からあった。ウォルト・ディズニーはそれをくつがえすために『ファンタジア』を作って、アニメーションも芸術になれることを見せようとした。 日でも同様の問いは長いことあり続けたが、スタジオジブリはこの問いに真っ向から答えてみせた。宮崎駿は『天空の城ラピュタ』の企画

    少女の通過儀礼から無我の境地までも描く 『若おかみは小学生!』がもたらす極上の映画体験
  • [映画感想]若おかみは小学生!

    『若おかみは小学生!』を見てきたので感想。いつものごとくネタバレ気にしてないのでネタバレ嫌な人は回避推奨です。あらすじ解説とかもやる気ないので見た人向け。またこの作品は書籍版漫画版アニメ版あるけれど、それらは横に置いといて映画の話します。 総評これは120点っすな。点数の基準は「上映時間+映画料金を払ったコストに対して満足であるなら100点」なので、「見れて大満足! もうちょいお布施したい」でした。 演出とは裏腹に内容的にはかなりヘビー(というのを見越して爽やかで明るい演出を用いていた)なので、児童文学原作でお子様向け痛快娯楽活劇とは言い切れないんですが、個人的にはクオリティさえ伴えば子供を思いテーマや悲しい作品でぶん殴ってもええやないか、いてもうたれ、子供ってのは子供なりに受け取るんだ派なので、クオリティでぶん殴ればいいと思います。ふるぼっこだドン。 この映画に関してはTwitterで児

    [映画感想]若おかみは小学生!
  • 劇場版『若おかみは小学生!』の芝居・身体性について - Paradism

    表情変化や歩き芝居に始まり、抱き寄せる芝居、ものを運ぶ芝居、屈む芝居、掃除をする芝居など、おおよそ生活の中で見られるであろうアニメーションを徹底して描き出した今作。日々人が営む中で起こす動きを描くというのは非常に難しいことですが、それを終始高いレベルでここまで快活に描いていたことにとても驚かされました。加えて、そういった数多くの芝居が物語に寄与していたものは計り知れず、鑑賞後はこの作品が劇場アニメとしてのスケールでTV版とは別に作られた意味を思い知らされたようでした。*1 なぜなら、両親を失くし、祖母に引き取られた先で若女将として経験を積んでいく主人公のおっこがその過程で見せた懸命さも、失敗も、時に見せる子供らしい表情もその全てがとても生き生きと表現されていたからです。着物のシルエットや姿勢、いわゆるフォルムとその動かし方や、それらを内包した生活アニメーションの巧さは前述した通り当に素晴

    劇場版『若おかみは小学生!』の芝居・身体性について - Paradism