あのゲーム良かったなあとふと思い出す作品には、印象的なシーンが映像として頭の中に残っていることが多いように感じる。シナリオが良かった、バトルが面白かった、そういった記憶で名作として覚えているものもあるんですが、やっぱりゲームの記憶として一番に浮かんでくるのは僕の場合シーンなんです。 『十三機兵防衛圏』を遊んでいると、このシーンをいつまでも覚えているだろうという不思議な自信が湧いてきます。しかも、それがひとつではなく複数ある。なんでこんなにもゲームの画面に心を揺さぶられるのだろうと思ってふと考えたら、魅力的な”光”に惹かれていることに気づかされました。教室の窓から差し込む穏やかな夕日、街を包む美しい光、残酷なまでに尖った赤さを見せる炎。本作の光の表現には、情念が篭っているようにすら感じられます。ある光はノスタルジーを、ある光は切なさを、ある光は微かな希望を。シーンごとに、光に特別な意味がある