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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/ikedanobuo (15)

  • 警察ネタの過剰 - 池田信夫 blog

    ここ数日、各社のトップニュースは元厚生事務次官殺害事件の関連で埋まっているが、もううんざりだ。最新のニュースでは、犯人らしき人物がTBSのサイトに「今回の決起は年金テロではなく、34年前に保健所に殺されたペットの仇討ちである」などと書いており、ただの精神異常者の犯行である可能性が強い。 海外から帰ってきて日テレビを見ると、いつも違和感を抱くのは、こういう警察ネタの扱いが異様に大きいことだ。たとえばBBCのサイトを見ればわかるように、世界の大手メディアのヘッドラインは政治・経済・外交というのが常識で、殺人事件がトップに来るのはSunのような大衆紙だ。 ところが日では、NHKも警察ネタだらけ。これはメディアの組織内事情もある。海外では基的に高級紙は警察ネタを取材せず、通信社の配信した情報から重要なものがあれば取材する。ところが日では各県警や(東京の場合)方面部に大量の記者を張り

  • 池田信夫 blog 古舘伊知郎氏が「格差社会」を語る気味悪さ

    「報道ステーション」はスタジオのしゃべりがうるさいのでほとんど見ないのだが、夜遅いときは、しかたなく見る。きょうも途中まで見たが、耐えられなくてテレビを消した。GDPの速報値のニュースなのだが、彼のコメントは私の記憶ではこうだ:景気が悪くなると、まっ先に切られるのが非正規労働者です。こういう人々の痛みを私たちはどこまで知っているのでしょうか。古舘氏がそれを知らないことは間違いない。推定年収1億円以上の彼が、非正規労働者の痛みを知ることは不可能だ。知らないことは罪ではない。競争の激しい芸能界でここまで生き残った彼の話術は(私はきらいだが)、それなりに価値があるのだろう。しかし自分を弱者の立場に置いて、格差社会を嘆いてみせるのは偽善である。 その前のNHK「ニュースウォッチ9」も、最近は見なくなった。田口キャスターになってから、意識して「古舘的」演出に変えたからだ。どうでもいい後説(あとせつ

  • 大麻で逮捕するならタバコを禁止せよ - 池田信夫 blog

    このところ「大麻汚染」についてのニュースが多いが、大麻の種を10粒もっていたぐらいで逮捕する国は、先進国にはない。アメリカの大統領選挙と一緒に行なわれた住民投票では、多くの州で大麻は合法化されるかきわめて軽微な罰則になった。 もちろん大麻に問題がないわけではない。しかし、その毒性も依存性も、アルコールやタバコより低い。大麻にこれほど大騒ぎするなら、日も禁酒法をつくり、喫煙者を逮捕しなければ論理的におかしい。こんにゃくゼリーを禁止するなら、の販売も禁止すべきだ。ついでに、あなたを殺す最大のリスクである自動車も禁止すべきだ。 世の中にはさまざまなリスクがあり、それをゼロにすることは必要でも可能でもない。タバコの社会的コストは5兆6000億円という推定もあり、大麻とは比較にならない。タバコのリスクを「自己責任」で認めるなら、同じ理由で大麻も合法化すべきだ。フリードマン以来、指摘されてきた

  • 太田誠一氏の「政治団体事務所」は隣の家だった - 池田信夫 blog

    きょうは朝から新聞・テレビが12社も自宅に来て驚いた。なんとうちの大家さん(中里浩氏)が太田誠一氏の農相秘書官で、その自宅(わが家の隣)が太田氏の政治団体の事務所だったというのだ。右の写真の奥に私の借りているテラスハウスがある。棟続きだが、壁で遮断されているので、私は隣の家に入ったことはない。 太田氏側は「活動の主たる担当者である秘書官の自宅を事務所とした」と説明しているそうだ。しかし私は隣に7年間住んでいるが、この家で政治活動が行なわれている形跡(ポスターなど)を見たことがない。そもそも家族以外の人がこの家に出入りしたのを一度も見たことがない。 政治資金収支報告書によると、この政治団体は2005〜6年に2300万円余りの経費を計上し、その内訳は事務所費が550万円、備品・消耗品費が800万円、人件費が1000万円ということになっている。しかし家賃は払っていないというのだから、人の出入

    FUKAMACHI
    FUKAMACHI 2008/08/26
    おいしいネタだなあ。やったぜ、池やん。
  • エコロジーという宗教 - 池田信夫 blog

    Freeman DysonがNY Review of Booksに、Nordhausの新著とイェール大学で行なわれた国際会議について書いている:Nordhausの分析は、地球が温暖化することを前提にした、環境経済学の第一人者による政策評価である。その結論は、炭素に課税することが地球温暖化に対応する必要十分条件だということで、排出権取引などは非効率な結果をもたらす有害なレトリックである。 イェール大学の会議では、科学者の賛否両論がわかれている。MITのLindzenは温暖化は起こっていると認めるが、その弊害は誇張されており、人間活動の影響も過大評価されていると主張する。これに対して議長は中立な立場だが、「多数派」を代表するポツダム大学(ドイツ)のRahmstorfは、Lindzenの議論を「世界の気象学者によって否定されたバカ話だ」と一笑に付す。 Rahmsdorfは、科学の歴史を学んだ

  • 崩壊する「日本ブランド」 - 池田信夫 blog

    福島中央テレビのアナウンサーが「ぐっちーさん」なる証券マン(?)のブログの記事を盗用した事件は、会社側が事実を認めて、アナウンサーを降板させる処分を決めた。ところが、当のぐっちー氏の植草一秀氏に関する記事が捏造だという記事が植草氏のブログに出て、話はややこしくなってきた。 まず問題のアナウンサーの記事は魚拓に残っているものを読むかぎり、原文の丸ごと盗用であることは明らかで、処分は当然だろう。植草氏の件は、まだ真偽のほどはよくわからないが、すでに支援グループの2年前の記事で指摘されていて、ぐっちー氏は捏造の事実を認めたという。だとすれば、彼のコラムを連載している『AERA』や、彼を匿名のままアルファブロガーと持ち上げた毎日新聞も、メディアとして失格だ。 この事件は、発端となった記事を読むと皮肉である。ぐっちー氏は、最近の品偽造事件が日人は正直だという「日ブランド」が崩壊している兆候

  • 新銀行東京は破綻処理せよ - 池田信夫 blog

    経営危機に瀕している「新銀行東京」について、都は400億円の追加出資を決めたという。しかし、これによって収益の回復する見込みはない。そもそもビジネスモデルが間違っているからだ。大前研一氏によれば、この構想のきっかけは、2001年に彼が石原都知事に次のように話したことだったという:大銀行をはじめとして、金融機関がバタバタと倒れている時世に、東京都の運用資金など日によって9兆円にも達するお金を、1000万円以上保証されない都市銀行に預けていていいのか。危ないのではないか。このとき大前氏の考えていたのは、都の資金を預かるのがメインで決済専門の「ナロウバンク」に近い発想で、店舗ももたず、各銀行に支店口座をもつ最小規模の「仮想銀行」だった。ところが、石原氏がこれを「中小企業の貸し渋り対策」に使うといい始めたころから、話がおかしくなった。規模もどんどんふくらみ、2005年に開業したときは、都が1000

  • 秘密の国 オフショア市場 - 池田信夫 blog

    ファイナンス業界でケイマン諸島の名前を知らない人はいないが、そこに行った人はまずいないだろう。私は1995年に、行ったことがある。書の最後に出てくるユーロバンク事件の取材だったが、驚いたのは島の異様な風景だ。空港のあたりは普通の熱帯の島なのだが、中心部にはまるでウォール街のように堂々たる高層ビルが林立し、それもシティバンクやバークレーズなど、世界の一流銀行ばかり。これが書のテーマである「オフショア」の金融機関だ。 この島が一般の人々にも知られるようになったのは、エンロンがここに700ものSPV(特別目的会社)をつくって、損失の「飛ばし」をやった事件だろう。しかし、こういうトリックはありふれたもので、ユーロバンクやBCCIなど、脱税や麻薬やマネー・ロンダリングの事件には、必ずといっていいほどケイマンがからんでいた。ユーロバンクの場合は、ロシア・マフィアが旧国営企業の資産を盗んでケイマン

  • NHKのITリテラシー - 池田信夫 blog

    NHKの職員がインサイダー取引の容疑で、証券取引等監視委員会の事情聴取を受けたというニュースが、きのうの19時ニュースのトップを飾った。任期があと1週間の橋会長は、この3年間、何をやっていたのだろうか。今回の問題は、3年半前の横領事件より、ある意味では深刻だ。横領はどの業界にもあるが、報道機関が情報を私的な利益のために使うという事件は、「公共放送」の根幹にかかわるからだ。 記者会見で、石村理事は「システム上の問題以上に、倫理観がなかったのが最大の原因」と語っているが、この認識は誤っている。今回は去年3月8日の場が引ける直前に異常な値動きがあったことから、監視委が証券会社に不審な取引記録の提出を求めたため、たまたま露見したものと思われるが、東京と岐阜と水戸で独立に起きたらしいことからもわかるように、犯罪につながるような情報を20分前に全国の職員が見ることのできるシステム管理が間違っている

  • マイクロソフトがITゼネコンになるとき - 池田信夫 blog

    今から9年前、私がW3Cのメンバーだったとき、日の会議に松下電器のエンジニアをまねいて話を聞いたことがある。テーマは「通信と放送の融合」。20年近く前からいわれ続けていたテーマだ。ウェブとは無縁の家電メーカーをまねいたのは、彼らが初めてXMLでデータ放送の規格をつくったと聞いたからだった。 ところが話を聞いて、私は疑問をもった。その「BML」というマークアップ言語は、どうみてもHTMLとはまったく異質な規格だったからだ。私が「その言語はHTMLとの互換性はどうなってるんですか?」と質問したら、彼は「ありません。これは放送の規格だから、通信との互換性は必要ないのです」と答えた。今度は会場の人々が驚いた。質疑応答はこんな感じだった:Q: 物理層からアプリケーションまでごちゃごちゃに規定されてるけど、バージョンを変更するときはどうするんですか? A: これはLSIでテレビに内蔵して供給する

  • B-CASは独禁法違反である - 池田信夫 blog

    きのうのMIAUシンポジウムは、「ダビング10」というマニアックなテーマにもかかわらず、会場はほぼ満員だった。まもなくYouTubeの公式チャンネルに映像がアップロードされると思うが、議論で気になったことをひとつ: 「ダビング10の是非論」とか「落としどころ」とかいう話にはまりこむと、この話はデッドロックになる。この泥沼は10年前のボタンの掛け違えから始まっており、それをいくら掛けなおしてみても、同じことの繰り返しになるからだ。そもそもなぜ無料放送にCASがついているのかという根的な問題から問い直し、これまでの経緯をいったんリセットしたほうがいい。 CAS(conditional access system)は、有料放送のシステムとしてはどこにもあるが、無料放送にCASをつけている国は日以外にない。FAQにも書いたことだが、事の起こりは、BSデジタルを有料放送にするか無料放送にする

  • 日本の政治はなぜ「変化」できないのか - 池田信夫 blog

    アメリカの大統領予備選は、ヒラリー・クリントンが土俵際で踏みとどまり、おもしろくなったが、特に民主党の演説でうんざりするのは"change"という言葉がやたらに出てくることだ。「変革」と訳しているメディアもあるが、これは小規模な改良も含む幅広い概念なので、「変化」と訳したほうがいい。 内田樹氏は、これを変革と訳して「私は変革には反対」で、必要なのは社会システムの断片(ピースミール)をとりあえず「ちゃんと機能している」状態に保持する「ピースミール工学」だといっているが、これはポパーの(誤った)受け売りだろう(*)。ポパーは『歴史主義の貧困』や『開かれた社会とその敵』で、社会主義のようなユートピア社会工学を批判し、ピースミール社会工学を提唱したが、彼はchangeを否定したわけではない。また社会工学という概念については、ハイエクが「設計主義の一種だ」と批判し、自生的秩序を提唱した。 内田氏

  • gooブログの品質管理 - 池田信夫 blog

    11日の記事で、「はてなが有害情報を放置してアクセスを稼いでいる」と書いたら、予想どおりネットイナゴが殺到して150もブックマークがつき、はてなの「人気エントリー」のトップになった。世界情勢にも経済問題にも関心がないが、自分の使うおもちゃを批判されると泣きわめく、匿名の精神的幼児の集まりだ(*)。はてなが梅田望夫氏のいう「群衆の叡智」なるものの反例になっているのも、皮肉なものである。 その記事で、私はブログも階層分化し、ブランド価値を高めて広告単価を上げるビジネスモデルもあるのではないかと書いた。mixiはそれに近い方針をとっているようだが、最近はgooブログの「検閲」が一部で話題になっている。たとえば、このブログは「犯罪を暗示した」という規定に引っかかったようだ。事前の警告なしにいきなりブログ全体を非表示にするのは問題だが、こういう有害情報を積極的に排除するサイトがあっていい。 もち

  • 三田誠広氏との噛みあわない問答 - 池田信夫 blog

    きのうのICPFセミナーのスピーカーは、三田誠広氏だった。もう少し率直な意見交換を期待していたのだが、自分で信じていないことを長々としゃべるので、議論も噛みあわなかった。そのちぐはぐな質疑応答の一部を紹介しておこう:問「これまで文芸家協会は、著作権の期限を死後50年から70年に延長する根拠として、著作権料が創作のインセンティブになると主張してきたが、今日のあなたの20年延ばしても大した金にはならないという発言は、それを撤回するものと解釈していいのか?」 三田「私は以前から、金銭的なインセンティブは質的な問題ではないと言っている。作家にとって大事なのは、として出版してもらえるというリスペクトだ。」 問「しかし出版してもらうことが重要なら、死後50年でパブリックドメインになったほうが出版のチャンスは増えるだろう。」 三田「しかしパブリックドメインになったら、版元がもうからない。」

  • 地球温暖化のメディアバイアス―池田信夫 blog

    IPCCの第4次報告書の要約版が発表された。こういう世界的なニュースの記事を比較すると、メディアの程度がわかる。NHKの19時ニュースは、こう報じている:最悪の場合、今世紀末には、世界の平均気温が1990年に比べて6.4度上昇するとしています。これは6年前のIPCCの報告を0.6度上回るもので、温暖化が予測を超えるペースで進む可能性を示すものとなりました。このニュースを見た視聴者は、「大変なことになる」と思うだろう。では同じニュースをNHKのお手であるBBCはどう報じているだろうか:The Intergovernmental Panel on Climate Change (IPCC) said temperatures were probably going to increase by 1.8-4C by the end of the century.こっちは1.8〜4度だ。ずいぶん

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