皆さんは紙には目があるのをご存知ですか? 紙の目とは、紙の流れ目とも呼ばれ、紙を漉くときに出来る繊維の方向のことです。 具体的には、紙を軽く折り曲げてみたときに、素直に曲がりやすい方向に紙の目が通っています。(紙を細長く切って、端を持ってみるとより分かりやすくなります) 一般の方はもちろんのこと、印刷発注担当者やデザイナーの方も意外と紙の目は意識されていませんが、われわれ印刷業者にとっては、紙の目は印刷物の最終仕上がりに大きな影響を与えるため、たいへん気を配っています。 いちばん紙の目による影響が出る印刷物は書籍です。書籍は、本文も扉もカバーも見返しもすべて綴じ方向と平行、つまり本の天地方向に目を通します。もし逆目にすると、開きが悪くなったり、反り返ってしまったり、ひどい時には本文が背から分離してしまいます。 おなじく、カタログやパンフレットも綴じ方向と平行に紙の目を設定しないと、しわが