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ブックマーク / magazine-k.jp (34)

  • 犯罪のメモワール出版はどこまで許されるのか

    1997 年に起きた「神戸連続児童殺傷事件」で犯人とされた当時14歳だった男性が最近メモワール(手記)を書き、このたび商業出版物として刊行されるというニュースにはびっくりしました。 早速、これがもしアメリカだったらどういうことになるかをツイートしたところ、予想以上に反響が大きく、Togetter でもまとめられていました。ただ、最初の私のツイートには法律の専門知識に欠けるところがあった上、認識がまちがっていた部分もあったので、あらためて整理してみました。 最初に断っておきたいのは、私はアメリカの憲法修正第1条に謳われている「表現の自由」をとことん尊重するリベラルな考えを持つ人間だということで、同じ民主主義国家として、日でも表現・出版の自由は保証されて然るべきと考えています。 でもだからといって、誰のどんな発言も等しく守られていいわけではなく、ヘイトスピーチや、権力者によるハラスメントに価

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    FeZn 2015/06/17
  • 「出版者」たちの時代がやってきた

    エリプリル・フールの日があけるのをまって、連載記事を二つ更新しました。一つは2月末から短期集中連載としてお願いしていた、結城浩さんの「私と有料メルマガ」の「第三回 継続編」。これにて連載は完結となります。メールマガジンを発刊しようと思い立ったときから現在にいたるまでの、結城さんの思考と実践の変遷を振り返ったエッセイですので、ぜひ「第一回 皮算用編」「第二回 転換編」とあわせてお読みください。 結城さんのこの連載は、私が有料メルマガについて、Facebook上でどなたかの「有料メルマガは著者と読者を不幸にしている」との発言を受けて、次のような否定的な考えを述べたのがきっかけです。 「メルマガはとっていても読む暇がないし、読んでも購読してない人とは話題を共有しにくい。あくまでもファンクラブの会報みたいなものだと思ってます。もうちょっとよいプラットフォームができないかな」 これに対して結城さんか

    「出版者」たちの時代がやってきた
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    FeZn 2014/04/03
  • 第10回 なぜ人は書庫を作ってまで本を持ちたがるのか

    前回は電子化という方法で蔵書問題を解決したケースをみてきた。 武田徹さんと大野更紗さん。二人に共通しているのは、電子よりも紙のの方が読みやすいという考えだ。大量に電子化してしまったことを武田さんは後悔していた。日常的に電子化をくり返し、電子化したを後もちゃんと読むと言った大野さんにしても「リーダビリティは紙が上」「日語のは紙で手に入れたい」と言ったことを話していた。 全ての蔵書を電子化してしまうのは味気ないと僕も思う。iPadなどのタブレットの出現、読みやすさを劇的に良くするアプリの開発という二点によって、「電子化された書棚」というものの活用が可能になってきた。だけれども、それは、武田さんのような尖った人の新しいことへの挑戦か、場所がないけどをたくさん所有したいという矛盾を解決するための打開策として実践するか、どちらかでしかやる価値がないのではないだろうか。 物体としてのを増

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    FeZn 2014/02/27
  • 第9回 電子化された書棚を訪ねて

    連載の折り返し地点をすぎ、「これから後半ですよ」ということを前回の話で宣言したわけだが、それから一度も更新しないままなんと半年もの時間が流れてしまった。読者の中には首を長くして、更新を待っていた方もいるのかもしれない。遅くなってしまい、当にすいませんでした。 ノンフィクション作家にとっての この連載以外の取材に取り組んでいたことも、更新が滞った一因である。では、いったい何をしていたのか。いまも続いているの増殖と絡めて、個々の仕事のことについて言及してみたい。 僕が追いかけているテーマのひとつに日の国境問題がある。を何冊か出したので、そろそろ次のテーマへ完全移行したいのだが、そうもいかない。尖閣諸島では付近の海に中国の公船が常駐するようになったし、竹島も韓国の閣僚が毎年夏に上陸するようになったりと、国境問題はここ数年で膠着し、日常化してしまったためだ。加えて昨年の尖閣国有化を巡る裏

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    FeZn 2013/12/16
  • 早起き鳥は文学全集の夢をみる

    ある日、アマゾンのKindle Fire HDでを読んでいたら、プライムユーザー(有料会員)向けにKindleオーナー・ライブラリーという「電子貸」のサービスが日でも始まっていることに気がついた。ひと月に一冊、無償でが読めるというので、さっそく何か面白いがないか物色してみた。 正直、品揃えにはあまり期待はしていなかったが、そこで発見したひとつのに驚いた。そのとは、後藤明生の『挟み撃ち』。講談社文芸文庫版を数年前に買い、読みかけたまま、家の中で紛失してみつからないだったのでありがたい。ダウンロードしてさっそく読み始めた。 後藤明生は1932年に旧朝鮮咸鏡南道永興郡に生まれ、1999年に亡くなった。「内向の世代」と呼ばれた一連の作家の一人で、蓮實重彦や柄谷行人といった批評家が高く評価したことでも知られる。『挟み撃ち』は1973年に河出書房から刊行された作品で、彼の代表作のひとつ

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    FeZn 2013/12/13
  • アマゾンは一般書の出版社として失敗したのか?

    一昨年のブック・エキスポでは元タイム・ワーナーブックス(現アシェット)CEOのラリー・カーシュバウムがアマゾン出版(amazon publishing)の発行人として抜擢され、ニューヨークに編集部を構えたというニュースで持ちきりだった。いよいよ一般書の出版社として中抜きどころか源泉から牛耳る気になったのだと。そのカーシュバウムがアマゾン出版を退任したことで、出版界は大きな騒ぎになっている。 「アルゴリズム出版」からジャンル小説、さらに一般書へ カーシュバウム就任以前の2009年から、アマゾンは少しずつ自分のところでを出し始めていた。Encoreというインプリントでは、他社から出て絶版になっていたタイトルや自費出版されたものから、売れそうなタイトルを見つけ出して再発行するというのをやっていた。そして他の国のベストセラーチャートを見て英語に翻訳して出したら売れそうなものを出すCrossing

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    FeZn 2013/10/29
  • ブックフェアを見て歩いた3日間

    2013年7月3日から5日まで東京ビッグサイトで行われていた「第17回 国際電子出版EXPO」へ、私は3日間とも足を運びました。同時期に併催された「第20回東京国際ブックフェア」とあわせ、私が取材した展示内容やセミナーは以下の記事にまとめてあります。 ・乾電池駆動の電子ペーパー端末「honto pocket」、ハルヒ11作品入りで書店販売? -INTERNET Watch ・Kindle国内責任者が語る「電子書籍の理想郷」、現状と課題は -INTERNET Watch ・「紙も伸びる」「自己出版の隆盛」電子書籍キープレイヤーが占う未来 -INTERNET Watch ・日電子書籍、普及の課題は「ディスカバラビリティ」 -INTERNET Watch ・山田順さんによる国際電子出版EXPOセミナー「電子書籍、プラットフォームはそろった!ところで読者の音は?」まとめ : 見て歩く者 by

  • ウェブの力を借りて「本」はもっと面白くなる

    も好き、だけどネットも好き、テクノロジーも大好き――そんな人間にとって、ここ数年の「電子書籍(または電子出版。以下この二つを便宜的に同じものとして扱う)」をめぐる議論は、フラストレーションのたまるものばかりだった。 いわく、「が売れなくなる」「パブリッシャーがつぶれる」「海外企業に支配される」「海賊版が増える」「離れが進む」……こんな極端な悲観論が目に付く一方で、出版だけでなく、既存メディア全体がいますぐ用済みになり、ネットやソーシャルがとってかわる、といったような根拠薄弱な楽観論(?)も目立った。中には具体的な年をあげて、新聞等の「消滅」を予言したタイトルのもあったがあれはどうなったのか? つい最近も、同工異曲のが出版されている。 「(の)電子化」ではなく、「(ウェブの)書籍化」 新しい事象に直面したとき、狼狽した人々は大雑把でわかりやすい「物語」にすがりたがる。「◯◯はすべ

    ウェブの力を借りて「本」はもっと面白くなる
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    FeZn 2013/03/10
    新刊紹介としてだけではなく、現状の概論として人に勧めやすい。
  • 第5回 自炊をめぐる逡巡

    今年の2月、約2000冊の蔵書を木造アパートの一室(4畳半)に移したところ、棚で床が埋まってしまった。万が一、床が抜けてしまったら、一階に住む大家が大けがをするかもしれない。そうなれば当然引っ越さねばならない。賠償をどうするのかという問題も出てくる。目隠しされて剣が峰に立たされてしまったような、いきなりの危機的状況に僕はうろたえた。引っ越しを終えた日の夜は床が抜けないか気が気でなく、あまり眠れなかった。結局、二つの突っ張り棚と約200冊を子と住んでいる自宅に移動させ、さらには438冊を緊急避難させた。 4月になり、このシリーズを書き始めたとき、前者の後始末の顛末については隠さずに書いた。しかし、後者の後始末の顛末については、次の通り、核心に触れないようにぼかして書くにとどめた。 438冊も4畳半からは緊急避難させていた。段ボール9箱、一箱あたり約15キロで、のべ約135キロ。

  • 第3回 本で埋め尽くされた書斎をどうするか

    をテーマにしたエッセイや随筆、棚を紹介するを漁ってみると、僕が知らないだけで、実は「床抜け」はそんなに珍しいことではなく、起こりうるということを思い知った。それどころか床が抜けなくても、が大量にあるというだけで十分大変だということも、嫌というほどに理解した。 との格闘 その中から故・草森紳一のケースを紹介してみたい。著書の『随筆 が崩れる』(文春新書)には次のようなことが書いてあった。 ドドッと、の崩れる音がする。首をすくめると、またドドッと崩れる音。一ヶ所が崩れると、あちこち連鎖反応してぶつかり合い、積んであるが四散する。と、またドドッ。耳を塞ぎたくなる。あいつら、俺をあざ笑っているな、と思う。こいつは、また元へ戻すのに骨だぞ、と顔をしかめ、首をふる。 これは草森さんが風呂に入ろうとしての山が崩れ、浴室に閉じ込められたときの様子である。彼の住む2DKの空間の中でまったく

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    FeZn 2012/09/01
  • 第1回 本で床は抜けるのか

    木造二階建てアパートの二階にある4畳半の部屋に仕事場を移したところ、畳がすべて荷物で埋まってしまった。部屋の壁際三辺は立て掛けた棚や分解した机で覆われ、部屋の大部分を占めるそれ以外のスペースは高さ約30センチのの束で埋め尽くされた。 部屋の真ん中にいる僕の足元は見えない。の束と束の間にかろうじて足を突っ込んでいるからだ。足に泥は付着しないが、ぬかるみに膝下をずぶずぶ突っ込んでいるようなものだ。部屋の中を移動するにはの束から足を引き抜いて、の束を踏み台にするか、つま先がやっと入るかどうかのすき間に無理矢理足を突っ込むしかない。 不安のはじまり 床がで埋まっているというのに不思議と焦ってはおらず、床が抜けるというケースはまったく想像していなかった。むしろ運び終えたことに安堵していて、時間をかければ何とか片付くだろ、と呑気に考えていた。 運搬を手伝ってくれた便利屋スタッフが帰りの車中

  • 「ニコニコ静画」で読書に新たな価値を

    ニコニコ動画を知らない人はもういないはずだ。動画の上にユーザーがコメントを付与して楽しめるこのサービスは、2006年に開始、YouTubeから接続を遮断されたり、テレビ局などから投稿の削除を求められたり、という長い困難の時期を経て、2010年に黒字化を果たしている。先日(4月28日-29日)に9万2384人が幕張メッセを訪れたイベント「ニコニコ超会議」も注目を集めた。 そのニコニコ動画を運営するドワンゴ社がいま力を入れているものの1つが電子書籍だ。「ニコニコ静画」(動画ではないことにご注意いただきたい)と銘打って、イラスト投稿を起点に、漫画ライトノベルなどへとその守備範囲を広げつつある。 動画と同じく、ユーザー投稿だけでなく、角川書店との提携により商業作品の充実を図っているのも注目すべき動きだ。Kindle版の開始もまもなくと言われるなか、商業作品の品揃えを競う国内電子書店とどう戦略

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    FeZn 2012/05/22
  • 楽天、kobo買収の本当の意味

    楽天がkobo買収というニュースにはさすがに驚いた。驚いた後で、「なるほど、こりゃすごい良い買い物をしましたな」と感心するとともに、まだ電子書籍のガジェットがどうのこうのという日での取り上げられ方に脱力。なんとか気を取り直してこのコラム書いてます。 日ではアマゾンが和書を売るオンライン書店としてだけでなく、日用品ならなんでも扱う外資系のオンラインリテーラーとして頑張っているから知名度も高いせいか、まだキンドルのサービスが始まってもいないうちから、黒船が、と話題になることも多いのはわかる。 しかし、アメリカではアマゾンがEブックもEコマースもすべてを牛耳っているわけではないので、機会あるごとにバーンズ&ノーブルのNOOK(ヌック)やソニーのReader、グーグルのeBookstoreやkoboもそれぞれの強みを活かしながらそれなりのプレーヤーになっていることを伝えてきたつもりなのだが

  • 電子書籍戦争は終結、勝者はアマゾン

    ※この記事は「辺境社会研究室」で9月29日に公開された記事「電子書籍戦争は終結、はアマゾンのものになった」を、著者の了解を得て改題のうえ転載したものです(「マガジン航」編集部)。 概要:アマゾンが発表した新しいKindleは79ドルという価格攻勢により電子書籍端末の決定版となった。アマゾンが電子書籍市場を支配することで、読者、出版社、書き手のあり方はまったく異なるものとなっていく。 79ドルのインパクト ここ数年続いた電子書籍をめぐる狂想曲は、完全に終わった。終わりを告げたのは、始まりを告げたのと同じ、アマゾンだった。9月28日に開催されたアマゾンのKindle発表会は、そう確信するに十分な内容であった(下はその映像)。 アマゾンが最初に電子書籍端末Kindleを発表したのは2007年11月のことだ。初代Kindleは白黒のE Inkディスプレイ、やぼったいデザイン、電子書籍に対応するだ

    電子書籍戦争は終結、勝者はアマゾン
  • 「本」はまだ読者に届いていない

    複数の場所で読めるようにする理由 この連載は、デジクリ発行と同時に、我がポット出版のサイトの「ポットの日誌」コーナーに毎回掲載している。また、この「マガジン航」にも掲載してもらっている(編集部注:連載2回分を1回にまとめるなど、転載にあたり少し再編集しています)。つまり、3カ所で掲載しているわけだ。 なぜ、このデジクリ連載をポット出版のサイトと「マガジン航」に掲載したいのか。ボクはせっかく苦手な文章を書くんだから、できるだけ多くの人が読む可能性を増やしたいのだ。文章ってのは、恐ろしく人の目に触れていないとおもっているんだ。いや、ボクの文章だけじゃなくて、もっといい文章も、だ。 それが惜しい。 ポット出版ので『石塚さん、書店営業にきました。』ってがある。タイトルどおり、出版社の営業がいかにして書店にい込むのかって。スゲー狭いでしょ、ターゲットが。出版物は年間8万点の新刊。営業が一人で

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    FeZn 2011/08/15
  • 電子書籍はまだ紙の本に勝てない

    PCユーザーであり雑誌ファンとしては大変懐かしい『WIRED』日版の復刊を楽しみにしていた私は、発売日に書店へ駈け付けました。レイアウトもクールで、テクノロジー関連の記事を楽しみ、インターネットのサイト「WIRED.jp」を、誌面との連携を探りながらブラウズしていると、「電子書籍が紙に負ける5つのポイント」という電子書籍の記事を見付けました。 この記事を読んで、「一面的にしか捉えられていなくて、分析が甘い!」「紙媒体が、現在の電子書籍に負けるわけがない」「そもそも、こいつは紙の書物というモノを苦労して読んだ経験が少ないな。言っていることはIT関連のことばかりだ」などと、不満をTwitterでつぶやいていた時、「マガジン航」の編集長から「電子書籍について考えていることをまとめてみませんか」と、声を掛けて頂きました。 私は、かつて約15年間、株式会社アスキーという出版社で編集者をしていました

    電子書籍はまだ紙の本に勝てない
  • 震災の後に印刷屋が考えたこと

    3月11日に発生した大きな地震を、僕はオフィスで迎えた。 僕のオフィスはもともと活版印刷機を回していたビルなので、古いが大変に頑丈な作りをしている。ゆっくりと増幅しながら粘る揺れは、最初は水平方向に縦横に、次いで垂直方向を混ぜた立体的な揺れに変化して、オフィスを気持ち悪く揺さぶった。 僕のすぐ後ろの棚はシート(断裁等していない刷ったままの印刷物)を吐き出し続け、書棚は不恰好なダンスを踊っては壁にぶつかって音をたてた。重い原棚が摺り足でせり出してくる。上司が「ついに来たか!」と叫んだ。 幸い社屋の損傷は軽微で、けが人も出ることはなかったが、総務部の判断で16時をもって社員は解散ということになった。その一方営業に出たきり連絡の取れない社員もあり、また顧客に呼ばれて出て行くものもあった。こんな時に営業にきたと得意先でアイドルになった営業もいる。 後に聞いたところでは東京西部と埼玉にある印刷現場

  • 今年は「電子書籍2年」、それとも?

    あけましておめでとうございます。今年も「マガジン航」をよろしくお願いいたします。 昨年は「電子書籍」をめぐる報道が相次ぎ、ときならぬ流行語となりました。年末にあわただしく国内の各メーカーから電子書籍を閲読できる端末が発売され、プラットフォームは早くも乱立気味ですが、実際のサービスは始まったばかり。今年の成否によって、昨年が当の「元年」だったかどうかが判断されることになるでしょう。 DIYとしての電子書籍 2010年のオモテの流行語が「電子書籍」だとしたら、ウラの流行語は「自炊」そして「ダダ漏れ」といったところでしょうか。電子書籍ブームと言われるわりに、魅力的なコンテンツが十全に供給されないことに苛立ったユーザーが、自発的に紙のを断裁してスキャンして読みはじめた、DIY的なムーブメントが「自炊」です。来、読者自身が行うのでこう呼ばれたのですが、めざとい業者が代行サービスを開始し、そのこ

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  • 新型キンドルのファースト・インプレッション

    黒キンドル、使ってみました。これで私は初代からずっと手にしたことになりますね。いえ、そんなにマニアというわけではなく。DXには指動かずじまいだし。 私のキンドル歴をふりかえりますと… ■初代キンドル 400ドルも出して買いました。初回発送分は売り切れていたので、しばらく待たされた記憶が。その頃は他にこういうのってソニーのEリーダーぐらいしかなくて価格競争してなかったから、400ドルです、と言われたら素直に、ふ〜ん、そんなもんかと納得してました。しかも最初はハードカバーのが9.99ドルなどというお値段じゃなかったような気がするんですよね。10〜20ドルのが多かった。 形は角張ってて、なんかリブリエに似て、今から思うとかなり野暮ったいガジェットでした。でもEインクはそれなりにショーゲキ。バックグランドがグレーでもけっこう読みやすいという発見があった。電池も長持ちするのが不思議で。ただ、入

  • 電子書籍についての私的考察メモ

    最近「電子出版」や「電子書籍」について聞かれることが増えてきた。仕事の中で実際にEPUBやPDFを作成して配布・販売することもある。しかし、自分でもまだ「電子出版/書籍」とはいったい何を指すのか、よく理解できていない部分がある。もともと「出版/書籍」とは何ぞや? という問いにきちんと答えることだって簡単ではないだろう。 特に最近の「電子書籍」に関する話題は、「出版印刷配ビジネス」としての経済的な側面と「読書のあり方」という文化的事象としての側面が同時に語られてしまい、この話をわかりにくいものにしているとも思う。ここでは自分自身の思考実験というか、考えのメモみたいな形で「電子書籍とは何か」を少し絞り込んでみよう。 前半は電子化による「出版」ビジネスの変化について、後半は「電子」の質について考えてみた。これらは現時点での私的な考察であって、新たな情報が入ってくれば考えもどんどん変わるだろ

    電子書籍についての私的考察メモ