表を見てもらえば一目瞭然だ。ダウンロード販売によって2700円のアルバム価格が1429円と大幅下落しているのにもかかわらず、原盤権利者の収入は増えている。流通コストならびにレコード会社の経費(プレス代を含む)がなくなることが大きな要因だ。 ただ、ここで紹介した形態は一部の例であり、レコード会社が原盤を保持していたり、あるいは、別に原盤権者がいる場合でも制作費の持ち分や契約条件などにより、分配の数字はまちまちになることをご了解いただきたい。また、ここに示した各レイヤの分配率も、多様な契約形態の一例であることを付け加えておく。 また、原盤権者にもさまざまな形態がある。メジャー/インディレーベル、音楽プロダクション、音楽出版社、アーティスト個人などだ。乱暴ないい方だが、制作費を出した者が原盤権者となると思えばいい。通常はアーティストを含め複数のステークホルダーが関係することになるので、この原盤権