この連載は、2016年を契機として、この10年に日本のアニメに起きた変化を追うことを主旨としている。連載1回目の前回は、日本の商業アニメには批評の層が薄く、本来的な意味での「作家」が成立しにくいこと、それゆえにヒットが作家性の証明と半ばイコールになっていること、そして、その状況への対抗策として映画祭に代表される、作家をフックアップする仕組みの必要性を論じた。 では、すでに作家として市場で活躍した存在は、この10年でどんな圧力にさらされてきたのか。それをつぶさに見ることで、前回提示した構造の輪郭がはっきりするはずだ。 連載の2回目である今回は、その論点をこの10年を代表する2人のアニメ映画作家、新海誠と細田守の具体的な歩みを通じて深掘りしたい。ともにオリジナル映画を発表し続け、ヒットメイカーとしてアニメ映画市場を牽引してきた2人だが、今その行き先は明暗が分かれ始めているようにも見える。 あら

