世の中にはさまざまな「毒」があり、それぞれに「これ以上は死ぬぞ」というラインである「致死量」が知られています。猛毒のシアン化カリウム(いわゆる青酸カリ)なら、致死量は成人で0.2~0.3グラムとされています。 改めて考えてみると致死量を測るためには、毒を少しずつ与えて死に至ったときの投与量を得る必要があります。これを人に対してやったとしたら……考えるだけで恐ろしい話です。 実際、第二次世界大戦時のドイツのデータなどは存在しますが、現代で公式に実験することは不可能でしょう。では、致死量は一体どのように測定しているのでしょうか。 致死量は振れ幅が大きい そもそも大前提として、毒の効きやすさは動物の種類、体重、体質、体調……など、あらゆる要因によって変化します。つまり、青酸カリの致死量は前述の通り約0.3グラムとされていますが、人によっては0.5グラム飲んでも死なないかもしれないし、逆に0.1グ