プロ野球のキャンプは終盤を迎えている。報道から伝わってくる阪神の選手たちの様子に、僕は今季への楽しみが増している。少し古い話だが、キャンプ第3クールの11日、岡田彰布(あきのぶ)監督が発したコメントから、チームはいいキャンプを過ごしているなと感じた。 抑え投手を目指す湯浅京己(あつき)が紅白戦に登板。直球を連続ではじき返され、1回を3安打1失点の内容だった。落ち着きがなかった右腕に対し、岡田監督はリリーフに失敗した昨季の試合を引き合いに出しながら、「後ろ(救援投手)は喜怒哀楽を出したらあかん。グラウンドに帽子を投げるようなピッチャー、俺は使わへんよ」と言い、「お前が悔しいんちゃうねん、チームが悔しいねん」と一刀両断した。 岡田監督が指摘したのは昨年6月3日のロッテ戦で地面に帽子をたたきつけたときのことだ。湯浅は自らを一人前と感じているからこそ、あの行動につながったのだろう。2軍の選手だった