世界的に患者数が増加傾向にあるエイズ。そのエイズを引き起こすのがHIVウイルスだ。科学の進歩により抗HIVウイルス薬が開発され、治療に使われている。 そのHIV治療で今、新たに注目を浴びているのが、日本人にはおなじみの「しょう油」に含まれる「EFdA」と呼ばれる成分だ。このEFdAが抗ウイルス薬としてメジャーな「テノフォビル」の70倍もの効果があることが最近の研究で確かめられた。 耐性できにくく、効果も早く発揮 テノフォビルはHIV治療においてはよく使われるものだが、使用回数を重ねるごとにその効果は落ちてくる。これは、ウイルスで耐性を持った変異株が出てくるためだ。 「その点、EFdAはウイルスに耐性ができにくく、しかも体内で効果をより早く発揮する」と話すのは、米ミズーリ大学医学部のStefan Sarafianos助教授。Sarafianos助教授らの研究で、抗HIVウイルス薬に耐性を持っ