トップページ > B.J.インタビュー「この翻訳家に聞きたい」 > 第1回 渋谷豊さんに聞く「どうしてそんなにダメ男小説が好きなんですか?」(前編) 目利きの翻訳家にテーマをしぼってインタビューする「この翻訳家に聞きたい」。第1回のゲストは、本国フランスでも忘れられていたエマニュエル・ボーヴという作家を発見し、本邦初訳を果たした渋谷豊さんです。ボーヴといえば、ダメ男小説! というわけで、渋谷さんの好きなダメ男についてお話を伺いました。 本文中で言及される(※)を付記したタイトルは、2010年現在、未訳の作品。邦題は渋谷さんが仮につけられたものです。 ボーヴ作品との出合い ――(以下、石井千湖)渋谷さんの訳書は現在4冊。そのすべてが"ダメ男小説"です。ボーヴの『ぼくのともだち』の主人公、ヴィクトール・バトンは無職で、恋人も友達もいない。毎日、何もすることがないから、パリの街をぶらついている。