基源:マメ科(Leguminosae)の Spatholobus suberectus Dunn.、Mucuna birdwoodiana Tutcher などの木質の茎。 植物は傷つけられることによって様々な液状物質を分泌します。例えば、トウダイグサ科のパラゴムノキからはゴムの原料となる白色の乳液が分泌され、ケシ科のタケニグサからはアルカロイドを含んだ橙色の乳液が分泌されます。今回のテーマである鶏血藤は茎を切断するとニワトリの血のような鮮紅色の液汁が流れ出すことから名付けられたとされています。赤い樹液は非常に特徴的で、間違いが生じる可能性は少ないと思うのですが、なぜか古来多数の原植物が存在し、現在でも属が異なる様々な植物に由来する鶏血藤が流通しています。 原植物の形態に関する記載は『本草綱目拾遺』に「鶏血藤膠」の説明文として掲載され、「猛緬に産する。雲南の昆明を去る工程一個月餘の地点であ