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  • フォーヌの頭 | 中原中也・全詩アーカイブ for mobile

    緑金に光る葉繁みの中に、 接唇(くちづけ)が眠る大きい花咲く けぶるがような葉繁みの中に 活々として、佳き刺繍(ぬいとり)をだいなしにして ふらふらフォーヌが二つの目を出し その皓(しろ)い歯で真紅(まっか)な花を咬んでいる。 古酒と血に染み、朱(あけ)に浸され、 その唇は笑ひに開く、枝々の下。 と、逃げ隠れた――まるで栗鼠、―― 彼の笑いはまだ葉に揺らぎ 鷽(うそ)のいて、沈思の森の金の接唇(くちづけ) 掻きさやがすを、われは見る。 <スポンサーリンク> ひとくちメモ 「フォーヌの頭」Tête de Fauneは 中原中也訳「ランボオ詩集」「初期詩篇」の2番目の詩です。 「フォーヌ」は、ローマ神話に出てくる牧神。 半獣神です。 ギリシア神話のパンと対応しています。 「エルキュルとアケロユス河の戦ひ」に登場したのが 記憶に新しく残っています。 この中原中也の訳詩の初出は 昭和5年1月1日付

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