東前頭筆頭の琴勇輝(24=佐渡ケ嶽)が、涙の初金星を挙げた。2度目の対戦となった横綱日馬富士(31=伊勢ケ浜)を押し出し。懸賞を受け取るときから、目頭が熱くなった。「頭が真っ白になって覚えていないですけど、すごくうれしかったです。まだ何かフワフワしているというか、よく分からない感じ」と夢見心地。そして、つらく苦しい時期を思い起こした。 13年九州場所6日目の取組で大けがを負った。左膝の蓋腱(しつがいけん)を断裂し、前十字靱帯(じんたい)を損傷した。医者からは「相撲を取るのは無理かもしれない」とも言われた。つらく、苦しい旅路の始まりだった。 同年11月末に手術し、クリスマスも正月も、病室で過ごした。テレビで最初、相撲を見られなかった。「つらかったです」。 だが、当時は部屋の琴欧洲と琴奨菊もけがを抱えながら相撲を取っていた。師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)に「あの2人も大けがをして、本当は休