●「ただいま〜!」 のび太は、元気良く、どこでもドアから出てきた。 ●「あ〜、のび太くん、おかえり〜」 ドラえもんは、部屋の中で、漫画の本を読みながら、 寝転んでいた。 (そういえば、こいつは、いったいなんのためにいるんだろう? ていうか、どこでもドアだけあれば、こいつはいらないんじゃ……) そんな疑問を感じながら、のび太は かばんを下ろした。 ●「で、のび太くん、どこでもドアはどうだった?」 ●「うん、大丈夫だった。 ドアをくぐり抜けたら、もう目の前が学校でさ、 ぜんぜん問題なかったよ♪」 ●「そうなんだ、それは良かったね」 ●「でもね、ひとつだけ気になることがあるんだ」 ●「ん、なーに?」 ●「あの……もしも、もしもだよ。 どこでもドアに入った僕が、分子破壊光線ですぐに消滅しないで、 体がドロドロに溶けるような毒ガスで、 阿鼻叫喚、筆舌に尽くしがたい生き地獄を味わうとしたら……」 ●「