原子力潜水艦では、高温高圧の水蒸気を発生させる熱源として原子炉が利用され、その水蒸気によるエネルギーを利用してスクリューを回すための駆動力を得ている。その駆動力生成の形式は2つに大別される。 水蒸気により蒸気タービンを作動させ、その蒸気タービンにより(適当な減速装置を介在させて)スクリューを回転させる、という原子力機関を利用するもの。 水蒸気により駆動したタービンにより一旦発電し、その電力を電動機に供給してスクリューを回転させるもの。 いずれにしても、原子力潜水艦では推進動力の生成のために原子力を使用する。以下は特に断りのない限り主に前者について説明し、後者は原子力ターボ・エレクトリック方式として説明する。 加圧水型原子炉の構成概要 通常原子炉の冷却系は安全のために複数設けられている。なお原子炉自体の数は原子力空母では1つの艦に原子炉を2基以上備えているのに対し、原子力潜水艦では1基または