科学技術分野の学会や協会でつくる一般社団法人「男女共同参画学協会連絡会」が、1990年代以降の就職氷河期を経験した研究者らの待遇改善を訴えている。連絡会の調査で、氷河期世代を中心に多くの研究者が任期付きの職を転々とし、不安定に暮らす実態が判明。「放置すれば日本の研究力は下がる」と、5月に文部科学省など関係機関へ要望書を出す。背景に何があるのか。(中山岳)
【カイロ=蜘手美鶴】北アフリカのリビアで独裁政権を42年間維持し、中東の民主化運動「アラブの春」で地位を追われた元最高指導者カダフィ大佐が殺害されてから、20日で10年が過ぎた。リビアでは現在も民主化は達成されず、東西勢力に分かれて混乱が続く。12月に予定される初の大統領選を経て、統一政府の樹立が期待されるが、選挙に反対する動きもあり先行きは不透明だ。
埼玉県内の古いアパート。両親、3人の妹や弟と暮らすクルド人の中学2年生女子、セレンさん(13)=仮名=は悲痛な声で語る。 2022年10月、2歳の妹が39度の熱を出した。2日たっても下がらず、両親は病院に連れていくことも考えた。しかし、一家は健康保険証がなく、治療費は全額自己負担。市販薬で幸い回復したが、「今度誰かが病気になったら…」。不安は尽きない。
日本軍「慰安婦」問題が広く知られる以前の1975年、元慰安婦であることを初めて明らかにした女性がいた。朝鮮半島出身で91年に沖縄で亡くなった故・裴奉奇(ペ・ポンギ)さん。93年に日本政府が慰安婦への軍の関与を認めて謝罪した「河野談話」の発表から30年、裴さんの人生を学ぶ20〜30代の有志らは「性暴力の問題は今も続いている。慰安婦を人権問題として考えて」と訴える。(森田真奈子) 裴さんは1914年、朝鮮半島の農村の貧しい家で生まれた。29歳の頃、「仕事をしなくても金を稼げる」などと業者にそそのかされ、44年に来日。沖縄県渡嘉敷島の慰安所で慰安婦とされ、戦後は身寄りもない中、沖縄本島の飲食店を転々とするなどして生活し、77歳で亡くなった。 72年の沖縄返還後、沖縄県内に住んでいた朝鮮人は、日本の在留許可が必要となった。裴さんは75年、手続きのために過去を明らかにし、新聞などで報道された。望んで
新型コロナ禍初期に、未承認の薬でありながら、「観察研究」の名目でコロナ患者への投与が続けられた「アビガン」。厚生労働省は、その使用実態に関する調査結果を2月中旬、しれっと発表した。本紙「こちら特報部」の情報公開請求には「不当に国民の間に混乱を生じさせる」として、全て黒塗りで伏せてきた、にもかかわらずだ。発表はA4の紙1枚。結局、アビガン観察研究とは何だったのか。そんな簡単な報告で終わっていいのか。(木原育子)
国を思う心、日本の伝統文化、郷土の良さなどを取り上げた小学校道徳の教科書=東京都千代田区の文部科学省で 文部科学省が28日公表した、2024年度から小学校で使用される教科書の検定結果では、小学校道徳で学習指導要領の「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」についての検定意見が13件あり、過去2回の検定と比べ大幅に増えた。このうち7件は、指摘された出版社が「国」「日本」という言葉を追加するなどして修正した。 学習指導要領では、小学高学年の道徳で指導すべき22の内容項目(教えるべき価値)を示しており、「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」はその1つ。改正教育基本法に盛り込まれた、愛国心に関する条文に沿っている。
衆院憲法審査会は9日、今国会2回目の自由討議を行い、与野党が憲法への緊急事態条項の新設を巡って意見を交わした。自民党は論点整理の議論の加速を訴え、改憲を目指す3会派は条文案作成を主張。立憲民主党や共産党といったリベラル系の野党は改憲しなくても現行憲法下で有事に対応できると反論した。 自民党の新藤義孝氏は緊急事態時の任期延長について「上限を1年とし、再延長も可能とするのが合理的だ」と提案。内閣に国会が議決していない予算の執行と法律の制定を認めることなど八つの論点の資料を配布し、議論するよう各党に促した。 公明党の北側一雄氏は、2011年3月の東日本大震災を受けて地方選挙が延期されたことに触れて「巨大地震が起こった時は被災地だけでなく、全国的に国政選挙などできない」として、任期を延ばす規定の必要性を訴えた。
政府は6日、岸田文雄首相の2月24日の記者会見で指名されなかった報道機関などの文書による質問に書面で回答した。本紙は、東京都世田谷区の小学校の6年生36人が首相に宛てた安全保障政策について質問する手紙に返事を送ったかどうかを尋ねたが、首相は返事を出す考えがないことを明らかにした。
新型コロナウイルス対策として政府が全国に配った「アベノマスク」の行政文書で単価や枚数を黒塗りにした部分の開示を、大阪地裁が命じた。原告が請求した45件全ての文書の公開を認めており、ほぼ完勝といえる判決だ。そもそも審理中から、国の主張にはおかしな点があったという。巨費を投じた政策に世論が沸騰して3年。判決文から見えてくるものとは。(岸本拓也、中山岳) <アベノマスク> 安倍元首相が2020年4月に全戸配布を表明した布マスク。一部に汚れや虫の混入が発覚し、予定の約1カ月遅れの同6月に配り終えた。配布時には既に市場に不織布マスクの供給が戻り始めており、効果が疑問視されている。介護施設や妊婦向けを含め計約2億9000万枚を調達し、21年度末までに少なくとも約502億円を投じた。厚労省の調査では、検品対象の15%に当たる約1100万枚が不良品。国は22年、余った約7100万枚を希望者に配って在庫を処
報告書名は「新時代の日本的経営」。経営で三つの雇用の形を組み合わせることを提言した。このうち契約社員や派遣ら非正規を「雇用柔軟型」と名付け、企業が人件費を抑えるために活用する方向性を示した。 新時代の日本的経営 終身雇用や年功賃金を中心とする日本的雇用の見直しを求める提言。急激な円高や不況を受け、人件費を抑えるのを目的に3種類の雇用を組み合わせる「雇用ポートフォリオ」の導入を企業に促した。正社員に当たる「長期蓄積能力活用型」、専門能力を生かす「高度専門能力活用型」に加え、現在の非正規労働者に当たる「雇用柔軟型」を設定。企業が非正規を増やす方向性を示したとされる。 当時、日本は先進国が協調してドル高を是正する「プラザ合意」(85年)を機に円高が急伸、その後のバブル崩壊で不況に陥った。成瀬さんは報告書の作成について「円高で賃金が上がり過ぎたから下げるしかなかった。このままでは企業がつぶれるとい
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く