ハンカチのご用意を... こちらに見えますのは豪クイーンズランド大のジョン・メインストーン(John Mainstone)教授。世界史上最も長い実験「ピッチの滴下実験」をただひたすら見守る、たぶん世界で一番哀しい科学者です。 これはその聞くも涙、語るも涙の物語。 2分だけお付き合いください...。 一見固体で、ハンマーで割ると粉々に砕けるピッチ(樹脂)。このピッチが実は液体であることを証明するために、クイーンズランド大の初代物理学教授であられたトーマス・パーネル(Thomas Parnell)教授が1927年に始めたのが、この「ピッチ滴下実験」です。 大学のサイトにはこう説明がありますよ。 最初はピッチを温めてガラスのじょうごに注ぎ、下を密閉した。こうして3年置いて固まるのを待ち、1930年に密閉した脚部をカットして下に垂れてこれるようにし、垂れた日付けを記録する作業に入った。[...]